金融とテクノロジー雑記

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起業大国イスラエルのフィンテックサービス3選

イスラエルのフィンテック

今日はサムライインキュベートさんが注力しているイスラエルの「FinTech」について調べてみました。

イスラエルにご関心がある方はサムライインキュベートさんの情報が何かと参考になるかと思います。

先日BTC NEWSさんにも榊原さんの記事が取り上げられていました。

1. Zooz

イスラエルのフィンテック

Zooz「モバイル決済プラットフォームのベンダー」です。

要は、モバイルアプリに決済システムを組み込むことができるサービスを提供しています。

特にセキュリティや詐欺防止に注力しているようです。

ユーザーは、プラットフォーム上で「VISA、MasterCard、PayPal」などの複数の決済手段から、自分にとって最適なものを選択して利用が可能です。

2010年設立の会社で、従業員数は少数ながらも、PaypalやQiwiなどの世界の大手決済企業と提携しており、グローバルで約1万店舗が製品を導入しているようです。 

2. Riskified

イスラエルのフィンテック

Riskified「小売店向けに、クレジット決済の詐欺防止サービス」を提供しています。2012年に設立された会社です。

例えば小売店がRiskifiedのサービスを導入すると、RiskifiedはECサイトで商品を購入する人の商品の送付先と請求先の住所を見比べたり、プロクシサーバー(匿名でのアクセスを目的に使用されたりする)の使用の否などを、オーダーの情報とソーシャルの情報から読み取り、詐欺かどうかを判断します。

このサービスにより、小売店側は今まで確証がとれないことから不成立となっていた取引も、他データと付き合わせて安全性を保証できるので、契約の成約レートを上げることが可能になります。

また、Riskifiedは100%のチャージバック補償も行っています。

チャージバックとは?

チャージバックとは、例えばクレジットカード会員が、誰かに不正利用されたことを理由に、利用代金の決済に同意しない場合、クレジットカード会社がその利用代金の売上を取り消すことです。

その結果、何か商品を購入してもらったEC加盟店には、その利用代金をクレジットカード会社に返金しなければならず、商品も返ってこないため、損害が発生します(参考記事)。 

つまり、小売店のECサイトで商品が売れたものの、後日その取引が詐欺による不正な取引であることが判明してクレジットカード会社から支払いを拒否されても、Riskifiedが補償してくれるので、小売店に損害は発生しないのです。

小売店はクレジットカード会社に支払いを拒否された後に、詳細をプラットフォーム上でアップロードすると、48時間以内にRiskifiedが小売店に補填してくれるようです。

ちなみにRiskifiedは、決済額の数%を小売店から徴収することでマネタイズしています。 

ちなみにAMEXのゴールドカードなどを保有していると、クレジットカード所有者の購買履歴から、不正利用と思わしき利用ががあった場合、電話などで連絡してくれることもあるそうです。

日本のクレジットカードサービスよりも、サービス面で進んでいる感じはあります。

Nok Nok Labsとは?

www.youtube.com

また、セキュリティ関連のサービスですが、個人的にNok Nok Labs, Inc.という米国企業が気になっているのでついでにご紹介します。

まずは上の動画を見て頂いた方が分かり易いですが、要は、様々なデバイスやアプリケーションに、音声や指紋や顔認証などのオンライン認証システムをつけられるサービスです。 

ちなみにこちらの企業には「Fast IDentity Alliance(FIDO)」の設立メンバーが参画しています。

FIDOは、認証デバイス間での相互運用性や、パスワード管理の煩わしさを排除すべく、パスワード認証に代わる新たな認証方法の開発に取り組む組織として、2012年7月に設立された非営利団体です。2015年5月にはNTTドコモがFIDO Allianceへの参加を発表しています。

日本の銀行でも導入はされていますが、あまり活用されていないこの「生体認証」の分野。まだ時間はかかると思いますが、将来様々な分野でこの生体認証は普及していくのでしょう。

3. Forter

www.forter.com

Forterも、「E-Commerce提供者向けに、詐欺防止サービス」を提供しています。

サービスは全て自動化されており、顧客が決済してから即時に詐欺がどうかを判断し、リアルタイムで対応が可能です。万一システムの不具合で間違った決済がなされてしまった場合は、保険を提供しています。

日本ではあまりクレジットカードの不正利用に関して敏感な人は多くない印象ですが、米国などの海外ではクレジットカードが頻繁に利用されていますので、セキュリティサービスに非常にニーズがあるのでしょう。

一度機会があれば実際にイスラエルに行ってみたいところです。