読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

元銀行員の金融とテクノロジー雑記

主に金融とテクノロジー(フィンテック・ブロックチェーン・ビットコイン)、投資(株式・FX・不動産)を学ぶために書いているただの雑記。

MENU

ソーシャルレンディングのリスクとメリットを踏まえた上での金融商品としての可能性。

SPONSORED LINK

f:id:tetsuduki:20151209111959j:plain

【2017年2月一部修正】

日本では近年「決済」分野で競争が激化していますが、個人的に元銀行員なこともあり、注目しているのがソーシャルレンディングなどの「オンライン融資」の分野です。

オンライン融資って何?

f:id:tetsuduki:20170208011033j:plain

まずオンライン融資とは、簡単に言うと『ネット上でお金を借りたい人、企業』と、『ネット上でお金を貸したい人、企業』を結びつける融資仲介サービスのことを指します。

恒例のアクセンチュアさんのレポートによると、2014年第1Quaterは、FinTech向け投資の内37%をオンライン融資分野が占めています。ちなみに決済領域は10%程度です。

今後間違いなく日本でもオンライン融資市場は伸びるでしょうし、実際オンライン融資の分野に属する金融ベンチャーも【クラウドクレジット】クラウドバンクなど、最近少しずつ増えてきました。

今日はその可能性について探っていきます。

オンライン融資市場の可能性

f:id:tetsuduki:20170208011316j:plain

オンライン融資にも種類があるのですが、僕が非常に関心があるのが、「ソーシャルレンディング(Socila Lending)」や「融資型クラウドファンディング(Crowdfunding)」と呼ばるジャンルです。

ちなみにクラウドファンディングはインターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める仕組みを指します。

あまり良い記事がないのでこちらの記事は少し古いのですが、近年世界中で「クラウドファンディング」での資金調達額は増加しており、中でも「融資型」と呼ばれるジャンルは全体の約40%を占め、今後10年で100兆円規模になるとの予想も出ています。

(参考)クラウドファンディングの種類

  • 融資型:投資側は対価として分配金などを受け取る
  • 寄付型:投資側は完全に寄付する
  • 購入型:投資側は対価として商品やサービスを受け取る
  • 株式型:投資側は対価として株式を受け取る

ちなみに日本でも近年「融資型のクラウドファンディング」は急成長を遂げており、2015年3月末時点での貸出総額は310億円と前年比2倍となったことで、日経新聞にも取り上げられました。下記の記事は今年の状況です。

www.yano.co.jp

以上のように市場規模は拡大しているのですが、オンラインで資金を調達する側ではなく、オンラインで資金を出資する側(要はお金を貸す側)のニーズについても考察してみました。

クラウドファンディングの参考図書

金融商品としてのソーシャルレンディングの可能性

f:id:tetsuduki:20170208011510j:plain

僕がオンライン融資に可能性を感じているのは、投資側にもメリットがあるからです。

融資型クラウドファンディング(以下ソーシャルレンディングと言います)は、大きなリスクを取らずに5%~10%もの高い金利が得られる「ローリスク・ミドルリターンの金融商品」だと思っています。

現状、僕が知りうる限りでは、この「ローリスク・ミドルリターンの金融商品」は日本にはあまり存在しません。

強いて言うなら利回りの良い社債やリスクの低い投資信託でしょうか。

ソーシャルレンディングは日本人の特質に合っている

「ソーシャルレンディング」は、大きなリスクを取りたくない貯蓄重視型の日本人の特性にあった金融商品であり、30代~40代の中上流階級層を中心に、徐々に人気が出る事が想定されます。

日本の金融業界は以前から「貯蓄から投資へ」をスローガンにNISAの導入などを試み、世界最大の日本の現預金870兆円を投資に向けるべく、各種手を尽くしているものの、結局リスクがある金融商品へは一定数の人しか手を出さないのです。

その一方で、定期預金や保険などの低金利には不満あり、何か良いお金もうけを探している人が世の中には多く、副業ビジネスが流行っています。

ですが、お金もうけはしたいものの、難しい金融用語や経済を勉強するのは、正直めんどくさいというのが人の心情です。

そのため、一度購入した後は商品の事は忘れて、ほっておけるような商品に投資したいなんて思う人が出てきます。

そんな金融商品が「ソーシャルレンディング」です。一度購入した後は放っておいて、数か月から数年後に利回り5%~10%でのリターンを得ることができます。 

ソーシャルレンディングならクラウドクレジット

ソーシャルレンディングの主なリスクは貸出先の倒産リスク

購入者(=出資者)がミドルリターンを得ることができるのは、ソーシャルレンディング事業者が高金利で貸出先にお金を貸しているからです。

一方、リスクには何があるかというと、主なリスクは「貸出先のデフォルト(倒産)リスク」です。

ですが、このリスクに関しては、もちろんソーシャルレンディング事業者が審査した上でお金を貸しますので、限りなく低くなります。実際、【クラウドクレジット】 クラウドバンクなどの日本の事業者の貸出先の倒産確率は1%を切っています。

折角なので、ソーシャルレンンディングの「リスク」と「リターン」に関して少しまとめておきます。

ソーシャルレンディングのリスクは?

  • 貸出先のデフォルトリスク(統計上1%以下)
  • 当初の期待利回りを下回るリスク
  • 為替リスク(海外向け貸出の場合)
  • 流動性リスク(中途解約不可)

ソーシャルレンディングのメリットは?

  • 高利率(5~10%)(メガバンクの定期預金は0.025%です)
  • 分散投資が可能(1社だけでなく、複数社への投資が可能)
  • 少額から投資可能(1万円から投資が可能)
  • 市場動向に左右されない(株や投信のように景気に左右されない)
  • 一旦決めれば放っておいて良い(株や投信のように定期的に見る必要が無い)
  • 毎月一定の収入が得られる(元利均等返済であれば毎月リターンを得られる)

まとめると大体こんな感じです。

また、タイトルは若干怪しいですが、ソーシャルレンンディングに関してはこちらの本が良く纏まっていますのでお勧めです。

ソーシャルレンディングの参考図書

日本の金融ベンチャーは欧米のタイムマシンとなるのか?

少し海外に目を向けると、オンライン融資の分野は、2005年に英国で「Zopa」という企業がサービスを開始したのが始まりです。

その後、2007年には米国で「Lending club」が創業し、2014年に時価総額1兆円でNY証券取引所に上場しています。

日本では「maneo」が2008年に創業したものの、正直いまだに知名度は高くありません。

そんな中、2014年に遂に証券会社の「日本クラウド証券」さんが市場に参入しました。

個人的には日本クラウド証券さんが提供するクラウドバンクは、金融商品取引業第一種を保有されていることもあり、期待しています。

また、最近ではラッキーバンクさんが全商品不動産担保付きの固い投資商品を提供するオンライン融資サービスの展開を始め、今後の日本のソーシャルレンンディング市場には非常に可能性を感じています。

ラッキーバンク

果たして日本の金融ベンチャーから欧米のようにIPOが生まれるのでしょうか。引き続きソーシャルレンディング市場には注視していきたいと思います。

ソーシャルでデジタルな与信判断サービス例

getnews.jp

最後に少し話は変わり、「Vouch」という企業をご紹介します。

「Vouch」のCEOは元PayPal出身で、こちらの企業には金融系のスタートアップやGoogleなどの人材輩出企業から優秀な人材が集まっており、非常に注目を集めているスタートアップの一つです。

こちらの企業の特徴は、「SNS」を用いた与信判断が行われていることです。「与信判断」とは、お金を貸せるかどうかを判断することです。

ちなみに、通常銀行が個人に融資をする場合、その人の収入(給料など)や資産背景(貯金や不動産など)などを基に総合的に判断します。

周囲からの信頼度で融資の金利が決まる時代は来るのか?

f:id:tetsuduki:20170208012359j:plain

こちらのサービスで面白いのは、「自分が周囲からどれだけ信頼されているか?」によって金利が変わる点です。

まず、お金を借りたいユーザーは登録後、友人や家族をこのサービスに招待します。

招待した人がweb上で簡単なアンケートに回答し、その回答率や回答までの期間、さらに借主が返済できなかった場合にどれくらいの金額まで保証できるか?といった回答を踏まえ、最終的な金利が決定される仕組みです。

つまり、周囲の多くの人に信頼されているユーザー程、金利が安くなるのです。これはもはや収入力ではなく、総合的な人間力なるものが試されているように感じますね。

実はこのSNSを用いた与信判断ですが、海外では結構実験的に導入されているようです。更には、「人の人生はある程度パターン化できるので、大体歩んできた人生でその人の与信額が決まってしまう」という意見をお持ちの方もたりします。

確かに膨大なデータを解析することにより、人の人生すらもパターン化できてしまう時代は近いのかもしれません。今後どのようなオンライン融資サービスが出てくるのか、気になるところではあります。

ではでは。