元銀行員の金融とテクノロジー雑記

主に金融とテクノロジー(フィンテック・ブロックチェーン・ビットコイン)、投資(株式・FX・不動産・仮想通貨)を学ぶために書いている雑記

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ビットコインではなくブロックチェーンがイノベーションだと言われる所以。

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【2017年2月一部修正・追記】

2017年2月時点にては、ビットコイン詐欺が流行りだしちゃいましたが、大分ビットコイン自体は胡散臭いモノとしては見られなくなって来ました。

ですが、未だに「ビットコイン」ではなく「ブロックチェーン」がイノベーションだと言われるのは、やっぱり単純にそうした方が日本政府や金融機関にとって都合が良いからだとは思います。 

Private Blockchain と Public Blockchain

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Private Blockchain

こちらの記事によると、「Private Blockchain」は「単独、もしくは信頼できる参加者間でのみ構成される、許可がなければ参加できない内輪のネットワーク」とのことです。

要は銀行などの金融機関の内部のみで使用されるネットワークのことなのでしょう。そして、日本のメディアが騒いでいるのは、この「Private Blockchain」のようです。

ブロックチェーン技術を利用すれば、「既存の金融の仕組みと同様のセキュリティー、安定性の実現をするのに、もの凄いコスト削減ができる」点が金融機関にとってのメリットとの話です。

また、記事ではこの「Private chain」が金融機関に採用されても、何か革命的な業界構造の変化は起きないとされていますが、個人的には非常に同意です。

恐らく既存の金融業界の構造(今まで通り銀行が存在して送金業務を担って、証券会社は証券取引業務を担って等々)は変わらないでしょう。

FinTech革命やBlockchain革命が起きても銀行は死なないという記事を以前書きましたが、金融業は国と密接に結びついているので、イノベーションに金融業が脅かされそうになったら、自国の法律を変えるのでしょう。

Public Blockchain

「ビットコイン」などに代表されるのが「Public Blockchain」のようです。

言葉から推察するに、銀行などの金融機関内部だけに閉じていない、誰にでもオープンなものとしてのブロックチェーンなのでしょう。

記事によると、「ビットコイン」は「今までの業界構造を根本から変え、新たなプレイヤーが既存のモデルを破壊したり、業界が様変わりしたりするポテンシャルを持っており、それをするのに誰からの許可も必要としない、いわゆる許可なきイノベーションが可能であり、それが既に世界では起き始めている」とのことです。

「C to C」サービスの可能性

僕もビットコインには所謂「C to C(個人から個人への取引)」サービスの可能性を感じてはいます。

ただ、「C to Cの送金」に関していうと、価格が変動する点や、ビットコイン⇔現実の法定通貨(円やドル)に換金する手間やコスト、瞬時の送金では無い点などが、現実の法定通貨(円やドルなど)を利用した「モバイルペイメントサービス」に劣りそうな気はちょっとしています。

例えば現時点では、ケニアのM-Pesaはスケールしていますが、Bitcoinサービスはそこまでスケールはしていないなどの例が挙げられますので、利用されるとしてももうしばらく時間がかかるでしょう。

非中央集権と既存の金融機関

ただ、ビットコインであれば、銀行などの第三者を信頼したり頼る必要がなく、送金ができる点は、今までの送金サービスとの大きな違いかと思います。

ただ、このサービスは銀行からしたらとても嫌です。送金手数料をとれなくなってしまうので。

そしてこれは例えば、証券会社などにも当てはまります。第三者を信頼したり頼る必要がなく株式を購入できる、とかにしても同じです。このサービスも、証券会社からしたらとても嫌です。売買手数料をとれなくなってしまうので。 

こういう嫌な可能性があるものを、保守的な金融機関が積極的に推進するとは、やはり思えません。

大手金融機関が参画する世界的な取り組みとして「Private Blockchain」の推進が始まっているのであれば、それは各国のお偉い方々がそうした方が都合が良いと考えたからでしょう。

こちらの記事でもご紹介しましたが、ITと金融の時代が到来している今、金融業が国に与えるインパクトは凄まじいので、金融業と国家は切っても切り離せない関係です。 

結局、肩書や権力が無いと信頼されることは無い

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結局、世間では肩書や権力が重要なのだと思います。

例えば、日本銀行の黒田総裁や三菱東京UFJ銀行の平野頭取が「ビットコインは素晴らしい」と発言した瞬間に、日本国内でビットコインは素晴らしいものになるし、「ダメだ」と発言した瞬間にダメなものになるし、世間の多くの方にとってはそれで良いようにも思います。 

僕がビットコインやブロックチェーンに出会ったのは多分2年ぐらい前で、その当時も色々と可能性を感じていたので、周りの金融機関の友人や、金融機関のコンサルタントに話をしてみましたが、全くもって理解されることはなかった経験があります。

幸い、当時会社のグローバルネットワークで色々と調べてみると、世界には日本よりもはるかに進んで「Bitcoin」や「Blockchain」を研究しているチーム(米国、英国、オーストラリアなど)も存在したので、金融業界では毎度お馴染みの「欧米に比べて日本は5年は遅れている」現象なのかもしれないと、自己完結していました。

一般の人に「仮想通貨」の話をしても胡散臭く思われる

また、実際にビットコインを知らない方に「ビットコイン」の話をすると、当然「胡散臭い目」でしか見られることはありませんでした。

当時僕は所謂大企業で働いていましたが、それでも胡散臭く見られるのだから、これが世間に浸透するのはかなり時間がかかるなと確信した覚えがあります。

試しに「ビットコイン」の名前を出さずに「ブロックチェーン」の話から入ってみたりもしましたが、「そうなんだ、へー」ぐらいで終わるのが関の山でしたので、そんな個人的な経験も踏まえ、堀江さんのこちらの記事は確信をついていると思います。

btcnews.jp

当時僕は色々と仮想通貨の購入もしていましたが、周りに理解者が一人もいなかったので、保有していると発言することを止めた経緯があります。その後、他の事に時間を割くことにしたので、この仮想通貨の分野の情報からも結構離れていました。

あれから1年半ぐらい経って、最近はリクルートが出資しているビットフライヤーさんなどもそこそこ有名になってきて、割と大丈夫な感じになってきた気はしますが、まだまだ一般の人には馴染みのないワードのようには思っています。

スタートアップやベンチャー企業における経営顧問の重要性

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先日の記事でも紹介しましたが、Metapsの佐藤さんの著書である「未来に先回りする思考法」は、僕にとっては物凄く勉強になったのですが、恐らく佐藤さんのことを知らない銀行員時代の同期とかがあの本を読んでも、多分「?」って感じになってしまうのではないかなと思っています。

ただ、Metapsの顧問には「竹中平蔵」さんや「元Googleの日本法人の社長」や「Appleの日本法人の社長」が参画していて、最近マザーズにも上場したんだよという説明をすると、いきなり皆関心を持つのかなとは思います。

何が言いたいかというと、要は世間とはそういうものなのだということです。

これをビットコインに当てはめて考えてみると、「ビットコイン」を多くの人に理解してもらおうとしたら、日本だったら日銀やメガバンクの役員などに宣伝してもらうしかないんじゃないかなと、個人的には思います。

それでは今日はこの辺で。 

ビットコインとブロックチェーンの推薦図書(2017年2月追記)

2016年と2017年に名著が出ましたので、ビットコインやブロックチェーンにご関心のある方はこちらを読まれることをお勧めします。

ブロックチェーンの衝撃

ブロックチェーン革命