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元銀行員の金融とテクノロジー雑記

主に金融とテクノロジー(フィンテック・ブロックチェーン・ビットコイン)、投資(株式・FX・不動産)を学ぶために書いているただの雑記。

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オルタナティブ・レンディングとは?金融商品取引業第2種と貸金業の取得方法から見る、金融業参入へのハードルの高さ。

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先日銀行法改正による出資規制緩和のニュースが出ていましたが、このようなニュースを読むと、日本の金融業界のベンチャー企業は、本当にメガバンクや金融庁と上手くやっていかないと事業を発展させるのが難しいなぁと改めて感じました。

今日はその「銀行」にちなんで気になる記事があったのでご紹介します。

business.nikkeibp.co.jp

Kabbageとは?

こちらの記事では中小企業向けの融資サービスを提供するKabbageが紹介されています。以下少しだけ記事を抜粋して紹介します。

FinTechを活用した融資スタートアップは「オルタナティブレンダー(Alternative Lender、従来とは異なる貸し手)」と呼ばれています。オルタナティブレンダーの中には、自身が融資を行う「直接融資型」と、米Lending Clubのように融資の斡旋だけ行う「ピア・ツー・ピア(P2P)型」があるようですが、Kabbageはどちらに当てはまりますか。

当社は我々が調達した資金を、直接顧客に融資しています。この二つのタイプは、自身がリスクを負っているか否か、自身のバランスシートに融資を計上しているか否かということから「バランスシート派」「非バランスシート派」と呼ばれています。

そういう意味では、当社はリスクを負う「バランスシート派」の貸し手です。当社自身は、機関投資家である米Guggenheim Partnersなどから資金を調達しています。

オルタナティブ・レンディングについては以前の記事でもご紹介しましたが、「オルタナティブ(代替的な)」という言葉で表されるように従来の融資とは異なる方法で融資することを指します。

記事にもあるように、Kabbageでは顧客企業が利用するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のデータを、審査アルゴリズムが分析して与信判断をしているようです。

日本でこのようなオンライン融資サービスを提供するためには、金融庁への登録が必要になります。現在、日本のソーシャルレンディング事業者は、【クラウドクレジット】 さんを除いて、事業開始のために「金融商品取引業第2種 or 第1種」「貸金業」の資格を取得しています。

ちなみに【クラウドクレジット】 さんは延滞債権の買取という異なるビジネススキームを使われているので、「貸金業」の登録はされていません。これについてはまた今度書こうかと思います。

今回はせっかくなので、具体的にどのような規制が設けられているのかを、主に「資金面」と「人材面」からざっくり紹介します。

関心のある方は少ないかと思いますが、より正確な情報を知りたい方は行政書士さんに相談される事をお勧めします。

「金融商品取引業第2種」の登録要件

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資金面

資金については、少なく見積もっても1200万円以上は必要かと想定されます。

  • 最低資本金:1,000万円以上
  • 登録免許税:15万円(コンサル等を利用して手続きを進める場合は、30万~120万円程度余分にかかるようです。また、会社の事業目的に「投資助言業」が無い場合は、変更登録が必要で3万円追加でかかるようです)
  • 証券・金融商品あっせん相談センターへの登録:年会費10万円
  • 第二種金融商品取引業協会への入会:入会金100万円、年会費50万円

人材面

人材面については、下記のような経歴やスキルを持ち合わせた人材を会社に揃えた上で、「業務遂行に必要な人員が各部門に配置され、内部管理等の責任者が適正に配置される組織体制、人員構成にあること」が必要なようです。

  • 経営者:経歴及び能力等に照らして、金融商品取引業者としての業務を公正かつ的確に遂行することができる十分な資質を有すること 
  • 常務:金融商品取引法等の関連諸規制や監督指針で示している経営管理の着眼点の内容を理解し、実行するに足る知識・経験、及び金融商品取引業の公正かつ的確な遂行に必要となるコンプライアンス及びリスク管理に関する十分な知識・経験を有すること
  • 法令順守部の責任者:金融機関のバックオフィス経験者、行政書士や司法書士などの資格を持っている方が適任
  • コンプライアンス担当者:営業部門とは独立してコンプライアンス部門(担当者)が設置され、その担当者として知識及び経験を有する者が確保されていること

「貸金業」の登録要件

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資金面

  • 最低純資産額:5,000万円以上

人材面

  • 常務:貸付けの業務に3年以上従事した経験を有する者
  • 貸金業務取扱主任者:試験に合格し主任者登録を行った者(登録を受ける際は講習を受講)で、営業所等毎に設置。職務は、営業所等において使用人、従業員に対し法令等を遵守して貸金業の業務を適正に実施できるよう助言・指導すること

組織体制面

その他にも、固定電話を設置できる独立した営業所・事務所が必要であったり、都道府県知事か財務局長への登録が必要で、「社内規則・組織図」の提出をしたり、営業所等において、貸金業取扱主任者を貸金業の業務に従事する者50名につき1名以上の割合で設置する必要があったり等々、とにかく色々と細かい規制も満載です。

参考サイト

色々ざっくり書きましたが、日本における金融業への参入障壁の高さが分かる内容かとは思います。

オンライン融資事業への参入について

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以上のような参入障壁から、このオンライン融資の分野に参入してくる事業者は、恐らくゼロから事業を立ち上げる方々よりも「クラウドバンク」さんなどのように、元々「金融商品取引業」の資格を保有している証券会社の方が多くなるのかもしれません。

正直その方がユーザー側としても安心感があるので、かなり有利なようにも思われます。

第一種金融商品取引業者のクラウドバンク

日本でも新しい融資形態が盛んになっていくのと、このようなソーシャルレンディングサービスを提供する事業者が増えていくのは時間の問題でしょう。

ソーシャルレンディングの詳細については以前記事を書いたのでご参照下さい。

それでは今日はこの辺で。