元銀行員の金融とテクノロジー雑記

主に金融とテクノロジー(フィンテック・ブロックチェーン・ビットコイン)、投資(株式・FX・不動産・仮想通貨)を学ぶために書いている雑記

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日本のプライベートバンクから見た富裕層の考え方や教育について

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プライベートバンク

ちょっと前にZUUの社長が書かれた「プライベートバンクは、富裕層に何を教えているのか?――その投資法と思想の本質」が発売されたので読んでいました。

一般人にも利用できる資産運用手法や、日本や海外のプライベートバンクについて色々と書かれていたので勉強になりました。

プライベートバンクといえば、銀行時代にグループの証券会社に顧客を紹介するために、純金融資産3億円以上の富裕層から承諾書を貰わないといけないキャンペーンみたいなのがあったなとふと思い出しました。

富裕層は何事もリターンとコストで考えるという話

富裕層

本書で述べられている「富裕層」とは、純金融資産1億円以上の人々をさしています。

富裕層の職業トップ3は企業経営者33.6%、医者9.5%(ほぼ開業医?)、不動産オーナー7.1%と、事実上経営者が殆どであるとのことでした。

僕も銀行に勤めていた時の富裕層の顧客はほぼ経営者、引退した創業者、オーナー一族、医者などのような印象です。

年収は本当に企業によってバラバラですが、大体数千万円程度が多く、役員報酬で1億円以上もらってる人はあんまり見たことがなかった気がします。

時代は徐々に変わりつつあるので、今後は外資系企業などでトップではなくてもある程度上まで上り詰めたサラリーマンや、優秀なエンジニアなどがどんどん富裕層に入っていくんじゃないかなあという気はしています。

さてそんな富裕層には、お金だけではなく時間についてもリターンとコストで考える人が多い印象があると、本書で筆者は述べています。

自分の時間を最大化するために、例えば下記のような作業は自分の手を煩わせないように「仕組み」化をしているとのことです。

  • 家政婦に家事を依頼する
  • アイロン掛けが必要なものは全てクリーニングに出す
  • 外食や出前を頻繁に利用する
  • 子供の教育は信頼できる学校や家庭教師、ベビーシッターなどに一任する
  • 習い事をする時は専属のコーチをつける

要は、富裕層は自分でやった方がトータルリターン(それに取り組むことで得られる直接収益からアウトソースのコストを引いたもの)がプラスかマイナスかを常に考えているということです。

本書でも述べられてますが、当然これは「投資」についても同じです。

自分で資産運用をするのが好きで、かつ高いパフォーマンスを出せるのであれば、富裕層であってもプライベートバンクは使わなくても良いかもしれないのです。

一方、資産運用はプライベートバンクに任せて、自分は何か他のことにもっと時間を使いたい人もいますので、そういう人にはプライベートバンクは適しています。

要は「役割分担」であり「アウトソーシング」です。

個人的にも、例えば「掃除」や「洗濯」など、その作業自体が好きな方は取り組む意義があると思うのですが、特に好きではなくアウトソースできるのであれば、全てアウトソースした方が良いと考えています。

まあこの辺りは人によって考えが異なる部分ではあるのでしょう。

富裕層の家庭内教育や金銭教育

金銭教育

富裕層に関連して、富裕層のお金に関する哲学や家庭教育にフォーカスした本として「大富豪のお金の教え」があります。

例えばこの本では、富裕層は子供に「お金は働いて稼がなければならない」と教えたり、「親自身が子供のロールモデル」となることで、子供自身に親のお金に頼らずに自分で稼げる能力を身につけさせるなどの実例が挙げられています。

どんなにお金持ちの親を持ったとしても、一世代でそのお金を散財してしまう子供世の中にはいることでしょう。

そして、この本で何度も出てくる金持ちの法則は、「収入−支出=資産」という方程式です。要は、富裕層は無駄ことにはお金を使わない人が多いということです。

しかし、逆に言えば「必要なことにはお金を使う」のであり、その「お金の使い方」が非常にうまいのでしょう。

一時ゾゾタウンの社長が62億円でバスキア作品を落札したことが話題になりましたが、こちらのインタビューを読むと非常に有意義なお金の使い方だったように思えます。

ー取材をしていると、「前澤さんの62億円の買い物は安い。一瞬にしてMaezawaという名前が世界中に広まったのだから」と指摘した美術関係者もいました。実際に、世界のアート界のネットワークに仲間入りするようなことはあるのでしょうか?

 

それはありますね。先日も、ロサンゼルスでディカプリオの自宅に招待されました。

ジャン・ポール・ゲティの成功哲学

成功哲学

最後に、「大富豪のお金の教え」で特に印象に残った人物の成功哲学をメモしておきます。

20世紀初頭にアメリカでブームとなった油田開発事業で、世界一のお金持ちになった人物である「ジャン・ポール・ゲティ」の話です。

彼が述べるに、金持ちになるために必要なのは幸運、知識、勤勉、そして「ミリオネア・メンタリティー(百万長者の考え方)」であるとのことです。

ミリオネア・メンタリティーとは、経営者感覚を持ち、抜かりなくコストを抑えて、絶えず利益を出すために腐心することです。

そして彼の「ビジネスの成功のための十ヶ条」は下記になります。

  1. よく知っている分野から始めよ
  2. 現在市場に出回っている商品よりも安く良い製品、サービスを提供せよ
  3. 節約の精神を持って臨め
  4. 事業拡大のチャンスを逃すな
  5. 「私のビジネス」という当事者意識を持ち、他人任せにするな
  6. 製品やサービスの生産・販売向上のための情報を常に収集せよ
  7. 危機に対処する準備をしておけ
  8. 常に未開拓の市場を探せ
  9. 信用と商品への評価を維持すべし
  10. 金を稼ぐことは己の富の蓄積のためだけでなく、世の人々の生活を向上させる目的もあると考えよ

こうして改めて見返してみると納得する部分が多いのですが、ジャン・ポール・ゲティはこうしてビジネスを通じて金銭的には成功しましたが、彼のプライベートや家族生活を見てみると、生涯本当に「幸せ」だったのかは謎です。

お金と幸福度の関係性はなかなか難しいものがあるなあと思った次第ですが、本書は特定の人物の人生を深く掘り下げたものというよりは、億万長者達数人の人生を簡単に紹介してくれるような本です。

投資の神様ウォーレン・バフェットや、20世紀最高の経営者と称されるジャックウェルチ、ハリーポッターの作者のJKローリングなどの人生の話も出てきますので、関心のある方は読んでみても良いかもしれません。