金融とテクノロジー雑記

勉強になった本の感想など

米国Wealthfront & Bettermentと日本のロボアドバイザーWealthNavi比較。

ロボアドバイザー

先日人工知能のヘッジファンドに関するニュースがありました。

今後このような人工知能のヘッジファンドは確実に増えていくように思いますが、最近ウェルスナビ (WealthNavi)などのロボアドバイザーによる全自動でお任せの資産運用が、日本でも流行りだしているように感じています。

実際に僕もWealthNaviには登録はしていますが、投資において「感情」のコントロールは難しいです。

ですので、そのような自己コントロールが苦手な方にとっても、コンピューターに最適な資産運用を任せしてしまうロボアドバイザーは、適しているようには思います。

米国のベストロボアドバイザー

ロボアドバイザー

画像出典:Best Robo-Advisors: 2017 Top Picks - NerdWallet

上記の画像が掲載されている2017年1月の記事によると、ベストなロボアドバイザーサービスは「Wealthfront」「Betterment」ということでした。

これら2つのサービスがベストなのかどうかは評価基準等にもよるとは思うのですが、WealthfrontとBettermentはロボアドバイザーのパイオニアでもあり、予てから有名なサービスではあります。

他の似たようなロボアドバイザー比較記事でもこの両者の名前は確実に上がると思いますので、今回は両者を日本のロボアドバイザーサービスと比較しながら、少し詳しく見てみることにしました。

米国のロボアドバイザーWealthfront

www.wealthfront.com

Wealthfrontについては日本語の記事があったので、詳細についてご関心のある方はこちらをご参照ください。

Wealthfrontの手数料

冒頭にご紹介したロボアドバイザーの比較記事から簡単にWealthfrontの特徴を書きますと、資産管理の手数料が年間0.25%と日本のWealthNaviなどのロボアドバイザーサービスと比べて安い水準となっています。

お客様からお預かりしている資産の時価評価に応じ、3,000万円以下の部分には1%(年率、消費税別)、3,000万円を超える部分には0.5%(年率、消費税別)を手数料としていただきます。

出典:https://www.wealthnavi.com/

ですが、欧米に遅れること数年後に日本でもクラウドファンディングが生まれ、昨年度キャンプファイヤーの手数料が下がったように、このロボアドバイザー領域にも今後事業者は増えて数年後には手数料が下がっていくと想定するのが妥当なようには思います。

ちなみにWealthfrontの最低投資額は500ドル(1ドル=113円換算で約56,000円)からで、10,000ドル(約113万円)までは手数料は無料なようです。

2017年2月時点にてWelathNaviは最低投資額は100万円からですので、これも今後下がる可能性はあるでしょう。

実際に「WealthNavi for SBI証券 」では最低投資額は30万円からとなっています。 

Wealthfrontで資産運用前に聞かれる8つの質問

ちなみにWealthfrontでアカウントを開設する前に聞かれる質問は以下の8つです。

  1. What is your primary reason for investing?
  2. What are you looking for in a financial advisor?
  3. What is your current age?
  4. What is your annual pre-tax income?
  5. Which of the following best describes your household?
  6. What is the total value of your cash and liquid investments?
  7. When deciding how to invest your money, which do you care about more?
  8. The global stock market is often volatile. If your entire investment portfolio lost 10% of its value in a month during a market decline, what would you do?

パッと見ても日本のウェルスナビなどのロボアドバイザーサービスの質問と比べると、質問数も多く、より細かい質問なように思います。

WealthNaviで資産運用前に聞かれる6つの質問

  1. 現在、何歳ですか?
  2. 年収はおおよそいくらですか?
  3. 金融資産はおおよそいくらですか?
  4. 毎月の投資予定は?
  5. 資産運用の目的は何ですか?
  6. もしも株価が1ヶ月で20%下落した場合どうしますか?

Wealthfrontの方が少し細かいというのは、質問内容自体もそうですが、WealthNaviの場合は、回答がすべて選択式です。

例えば、「2. 年収は、おおよそいくらですか?」に対する回答として、WealthNaviの場合は下記のような回答が既に用意されています。

  • 300万円未満
  • 300万円~500万円未満
  • 500万円~1,000万円未満
  • 1,000万円~2,000万円未満
  • 2,000万円以上

これに対してWealthfrontは入力式(ちなみに課税前の収入を回答させている)ですので、よりユーザーの詳細を把握しにいっており、カスタマイズもしている印象を受けます。

ちなみに年齢についても金融資産についても、WealthNaviが選択式であるのに対して、Wealthfrontは入力式です。

Wealthfrontの場合は上記の質問後にメアドと名前を収集され、更に追加の質問(これらには選択肢があります)が用意されています。

  • What is your tax filing status?
  • Do you currently participate in a retirement plan at work?
  • Do you generate any income from self-employment?
  • Do you currently have any investment accounts at other brokerages?

その後、電話番号や住所を取集される形となっています。

WealthNaviについても、もう少し時が経てばより細かい質問が用意されるようになるのかもしれませんが、現段階では質問が単純明快な方がユーザーを掴みやすい(日本人向きでもある?)ようには思いますので、それもWealthNaviさんの戦略なのかもしれません。

米国のロボアドバイザーBetterment

www.betterment.com

続いてBettermentについて見ていきます。

BettermentのHPを見る限り、2017年2月現在にて既に175,000ユーザーに利用されているようです。

ちなみにその他のニュースとしては、Uberとの提携などもありました。

ニュース - Uber、ドライバーの個人年金支援でBettermentと提携:ITpro

一部都市のUberドライバーは、Uberアプリケーションから直接Bettermentに個人退職口座(IRA)を開設し、退職後に向けた積み立てや投資などに関するBettermentのサービスを1年間無料で利用できる。

ちょっと詳細は分かりませんが、THEOが第三者割当増資を受けて業務提携をした際に日本交通が入っていたのはこういうのと関係があるのでしょうか。

話はBettermentに戻りますが、Bettermentでは資産運用開始前に下記のような質問を聞かれたり、最初の段階で名前や住所、電話番号等の入力を求められますので、結構登録までに根気がいるようには思います。

I am 〇〇 years old and not retired / Not Retired.

My annual income is 〇〇.

Bettermentの3つのプラン内容と手数料

BettermentはWealthfrontとは異なり3つのプランが用意されています。

※()内は最低投資額です。

  • 通常プラン($0):手数料0.25%
  • Plusプラン($100,000):手数料0.40%
    →資産運用アドバイザーにメール(無制限)と電話(年1回)で相談が可能
  • Premiumプラン($250,000):手数料0.50%
    →資産運用アドバイザーにメール<(無制限)と電話(無制限)で相談が可能

手数料が0.25%からと安いことに加えて、最低投資額も$0からというのはとても敷居が広いサービスだなと思った次第です。

ただ、このようなPlusプランやPremiumプランが用意されていることを鑑みると、多くの人は色々とネット上で手続きを済ませることができたとしても、自身の資産運用に関しては、やっぱり電話や対面で信頼できるプロフェッショナルアドバイザーに相談したくなるものなのかもな〜と改めて思ってしまいました。

日本のロボアドバイザーサービスにも、オフラインの追加サービスが今後は出てくるのでしょうか。

いずれにせよ米国の歴史を見る限り、この資産運用は完全にお任せでOKなロボアドバイザー領域がもうすぐ日本でも盛り上がっていくのは確実なようには思いますので、今後もこのジャンルはウォッチしていこうかなと思います。