元銀行員の金融とテクノロジー雑記

主に金融とテクノロジー(フィンテック・ブロックチェーン・ビットコイン)、投資(株式・FX・不動産・仮想通貨)を学ぶために書いている雑記

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ソーシャルレンディングの問題点は?日本と海外の融資対象の違い

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ソーシャルレンディング

前回紹介した野口悠紀雄氏の「ブロックチェーン革命 分散自律型社会の出現」おいて、少しだけ「ソーシャルレンディング」について記載がありました。

今回は本書を踏まえて日本のソーシャルレンディングやクラウドファンディングに関する問題点やリスク、その危険性、日本と海外の融資サービスの違いなどに関して書こうかと思います。

日本におけるソーシャルレンディングのリスク

ソーシャルレンディング

まず、「ブロックチェーン革命 分散自律型社会の出現」において、著者は日本のソーシャルレンディングについて2点指摘していますのでそれについて触れます。

本書で指摘されている1点目は、「リスクへの対処」です。

投資家は貸し倒れリスクは負うが、投資対象の詳細を知らない

銀行貸出の場合は、貸出先の貸し倒れリスクは当然銀行が負うのですが、ソーシャルレンディングでは貸出先の貸し倒れリスクを投資家が負います。

確かにこの点は大きな違いですし、投資家はここをきちんと認識しておいた方が良いでしょう。

また、複数の借り手を一つのファンドにまとめていますので、投資家はそのファンドに投資をする形となります。

複数の借り手を一つにまとめることで、一事業者が破綻しても良いようにリスク分散が図られているのです。

ですが、このようにファンドにまとめられてしまうことで、投資対象の事業者の財務状況・採算計画・担保の詳細などが投資家は分からなくなってしまっているという問題が生じていると、本書では指摘されていました。

ソーシャルレンディング事業者の与信判断能力がポイント?

ですが、個人的にはこのような財務情報等を見て、きちんと投資判断をできる投資家が、一体世の中にどのぐらいいるのだろうか?という疑問も残ります。

もし投資家に投資判断能力がないのであれば、結局一つ一つの与信判断(融資の審査)はソーシャルレンディング事業者に委ねられる訳です。

ですので、「その事業者の与信判断能力がどれだけ高いのか?(=事業者の信頼性)」の方がポイントになるかなと個人的には思っています。

信頼度が高い日本のソーシャルレンディング事業者は?

ソーシャルレンディング

例えば、日本のソーシャルレンディング事業者に関しては、日本で初めて2008年にソーシャルレンディングサービスの提供を開始した「maneo」は、やはり信頼度が高いように思います。

財務状況をHPで公開しており、現在でも業績は堅調に推移している点も安心感がありますし、SMBCベンチャーキャピタルやGMOグループ、VOYAGE GROUPなどの大手企業が出資している点からも、期待の高さが伺えます。

今後上場する可能性も十分にある会社でしょう。

meneoの詳細はこちら↓

その他には、5大商社の一つである伊藤忠商事や、マネックスベンチャーズなども出資しているクラウドクレジットなども、事業者としての信頼性は高いように思います。

クラウドクレジットは代表の杉山氏が東大卒→大和証券SMBC→ロイズ銀行と、金融出身のエリートで、経営陣にもプロフェッショナルなメンバーが集っている印象を持っています。

クラウドクレジットの詳細はこちら↓

ソーシャルレンディングならクラウドクレジット

なお、おすすめのソーシャルレンディング事業者の詳細については下記にまとめましたので、ソーシャルレンディングでの資産運用に関心のある方は参考にしてみてください。

ソーシャルレンディングの個人的なおすすめ業者はこちら

日本と海外のソーシャルレンディングの融資対象の違いは?

ソーシャルレンディング

話は戻りまして、「ブロックチェーン革命」で指摘されている2点目のポイントは、「融資対象」の話です。

本書では、日本のソーシャルレンディング領域は、個人向けの融資やベンチャービジネスに対するスタートアップ資金の供給という側面よりも、不動産関係の貸付が増えているという指摘がありました。

確かにこの点においては、現在存在するクラウドファンディング事業者とは、ソーシャルレンディング事業者は毛色が違うのかもなとは感じています。

クラウドファンディングはReadyforなどが特にそうですが、「社会性」を大切にしている印象を受けます。

このような点を踏まえてなのか、本書では、海外におけるソーシャルレンディング急成長の背景には「社会を変えようとする考えがある」が、日本の場合は単に「利回りが定期預金よりは高い投資対象」としてしか捉えられていない、とも記載されていました。

言ってしまえば、

現実に行われているのは事後継続資金の貸し出しが多く、技術開発やリスク挑戦という積極的な側面はあまり強くない

とのことです。

確かにそんな印象は無くもないんですが、日本においては、それは「クラウドファンディングとソーシャルレンディングの役割の違い」と言ってしまっても良いような気もしています。

伊藤忠商事が出資する【クラウドクレジット】 などは、ソーシャルレンディング領域に分類されているものの、「投資で社会貢献」などをテーマにかかげていますので、「社会性」よりな投資をされている印象はあります。

今後はもしかしたらソーシャルレンディング領域においても、クラウドクレジットのような事業者が、もう少し生まれてくるんじゃないかなとも思います。

最近の日本における融資サービスの動き

融資サービス

CAMPFIREのレンディング事業

jp.techcrunch.com

2017年の1月に、元々購入型クラウドファンディング事業を展開していたCAMPFIREが、正式にレンディング事業に参入するとの発表がありました。

クラウドファンディングとソーシャルレンディングの両事業をやってしまおう、更にそこにAIも組み込もうというところが、抜かりない戦略のように思います。今後ますます成長しそうなサービスです。

また、CAMPFIREだけでなく、昨年末あたりからクラウドファンディングやソーシャルレンディング領域にも色々と動きが出て来ています。

Makuakeの協調融資

m.japan.cnet.com

例えば、クラウドファンディング事業者の「Makuake」は協調融資サービスを始めました。

こういうIT企業と銀行との新しい組み合わせでの融資形態は、今後も増えていくのでしょう。

地方創生型のさくらソーシャルレンディング

www.value-press.com

その他には、地方活性化を目的としたさくらソーシャルレンディングのニュースなどもありました。

「maneo」に関しては業績も堅調に推移していることから、色々と新しいことを始めるフェーズなのかもしれません。

日本には無い海外サービスの融資対象

prodigyfinance.com

話は少し戻りますが、ブロックチェーン革命でも指摘されていた融資対象に関して、日本にまだ無い融資対象の領域の一例としては、MBA志望の留学生などが挙げられるのかなとは思いました。

「Prodigy Finance」はイギリスのFinTechスタートアップで、MBA志望学生への融資サービスです。

日本ではこういう融資サービスはあんまり流行らなそうですが(奨学金制度もありますし、そもそも世界中から留学生が集まる国でも無いので)、イギリスやアメリカなどにはこういうニーズもあるんだな〜と思ったサービスでした。

学生に融資や投資をするにしても、今後成功しそうな人(きちんとお金を返してくれそうな人)に投資をした方が良いでしょうし、中々興味深かったので最後にご紹介しておきます。

個人的にも、多少勉強して取れてしまう資格よりも、修士などを取得した方が今後は良いんじゃないかな〜と思っている派ではあります。

これに関しては以前金融の資格に関する記事を書いたのでご関心のある方はそちらをご参照ください。

投資商品としての「ソーシャルレンディング」のリスク・メリット・今後の可能性などについてはこちら