【2017年一部更新】
今回は「世界の送金サービス」についてです。
その前に思うところを少し書くと、本ブログでも度々日本の金融サービスは欧米に比べて5年は遅れているという話を書いています。
ですが、このままいくと日本の金融サービスは周りのASEAN諸国にもあっという間に追い抜かれてしまい、世界から取り残されてしまうんじゃないかという危機感を感じたりすることがあります。
個人向けの金融サービス
僕が個人的に特に気になっているのは「個人向けの金融サービス」の分野です。
日本では銀行の営業時間は「平日9時~15時」が当たり前になってますが、冷静に考えると、サービス業で「平日9時~15時」しか開いていないお店は、日本にはあまり無い気がします。
他国と比べても非常に便利な生活を送れるこの日本において、銀行業界は不便なサービスを提供している珍しい業界なような気すらします。
そんなことを思いつつ、前回書いた「送金」サービスに関して色々と調べていたら、約1年以上前にTechCrunchさんが良記事を書かれていましたのでご紹介します。
記事にもあるように、米国の金融サービスが日本の数年先をいっている事は、もはや自明の事実でしょう。
アクセンチュアが行っているFinTechのインキュベーションプログラムも、NYやロンドンで行っていることからも、最先端の金融サービスが生まれる場所は日本ではないのでしょう。
以上、ここまで色々と前置きを書いてきましたが、続いて日本の数年先を行く世界の送金分野のサービスを国毎に紹介していきます。
米国の送金サービス
米国ではやはり「Paypal」や「Square」が有名かと思います。
Paypal
Paypalはピーターティールやイーロンマスク、リードホフマンなど、Paypalマフィアと呼ばれる米国屈指の起業家達を排出していることでも有名です。
記事にもあるように「Paypal」は今年「Xoom」を買収し、ますます送金サービスを拡大しています。
日本ではあんまり流行っている感じはありませんが、企業も個人も利用できる便利な決済サービスです。
Square
続いてSquareは、日本ではカードの決済アプリとしての知名度が高いように思います。
例えばiPadやiPhoneなどに「カードリーダー」を取り付けると、レジの役割をしてくれます。
Squareはお店がレジ代わりに使うだけでなく、個人でも無料で登録でき、例えば友達からの支払いをクレジットカードで受け取ることなどができます。
スマホにカードリーダーをつけて、友人にクレジットカードで決済してもらうイメージです。
そしてそんなSquareも、実はかなり昔からEメールで送金できるサービスも提供しています。
ここ数年で世界では「メールアドレスや電話番号、SNSを用いた送金サービス」が次々と生まれている印象がありますが、日本でももう数年経てば、SNSを用いた送金サービスが知名度を帯びてきそうな予感はします。
Payoneer
また、余談になりますが、最近思わぬところで米国の「Payoneer」という送金サービスが有名になってきています。
簡単に言うと、ドルなどの外貨を受け取る銀行口座を貸してくれるサービスです。
受け取りがドルベースですので、円で手元に保有したい場合は日本の銀行口座に送金してもらいます。
思わぬところでと言ったのは、このサービスはAirbnbやAmazonなどの副業ブームによって、知名度が増してきているからです。
何か別のブームに応じて思わぬところで需要が生まれるというのは、今後もあるのかもしれません。
英国の送金サービス
Faster Payments
これは決済領域のサービスに含めても良いのですが、「Faster Payments」は「個人の利用者は何度送金を行っても手数料無料」のサービスです。
2008年にサービスを開始し、今やイギリス国内における個人の支払いや送金といった決済の3分の2が「Faster Payments」によって行われているようです。
また、英国では2014年に「Paym」という個人間送金サービスが出現し、相手の携帯電話番号だけで無料で送金できるようになりました。
ここまで金融インフラが既に整っているとは恐るべし英国です。
オーストラリアの送金サービス
オーストラリアの情報は何故かネット上にあまり無いのですが、注目すべき金融サービスは色々あります。
今回は、オーストラリアの銀行の中でも先進的な銀行として良く紹介される「コモンウェルス銀行」のサービスを紹介します。
まずはこちらの1分間の動画をご覧下さい。
コモンウェルス銀行のアプリ
これは送金に関する動画では無いですが、オーストラリアでは携帯さえあればATMから現金の引き出しが可能なようです。
もはやキャッシュカードすら不要な世の中になりつつあるのかもしれません。
ちなみにこのアプリでも「電話番号やメールアドレス、Facebookの友達リスト」から送金が可能です。
シンガポールの送金サービス
Fastacash
シンガポールでも、FacebookなどのSNSで繋がっている人に対して、金額を入力してボタンをタップするだけで送金できるサービスが提供されています。
また、送金時にメッセージや動画、画像も一緒に添付することができるようです。
→(追記)サービス終了していました。
日本の送金サービス(2017年一部更新)
ここまで色々と世界のサービスを紹介してきましたが、最後に日本の話に戻ります。
ご存知の通り、今までは特に有名な送金サービスはなかったのですが、2017年は個人間送金のジャンルでAnypayやKyashさんなどが出て来ました。
ちなみに既存の銀行で個人的に面白いと思ったのは、楽天銀行です。
楽天銀行の先進的なサービス
例えば2014年には、楽天銀行はメガバンクを差し置いて日本初のFacebookで送金できるサービスを開始したり、最近では米国でビットコイン決済を導入したりしています。
また、僕が個人的に注目している「生体認証」を利用したサービスを開始したりと、先進的な取り組みをされているからです。
楽天銀行、3D Touchログイン機能をスマホ向け「楽天銀行アプリ」に導入 | マイナビニュース
こちらの生体認証サービスは「指紋」を利用したサービスですが、今後ますます生体認証サービスが増えていくことは間違いないので、良い領域なのではないでしょうか。
楽天銀行は個人でも使いやすく、法人でも便利
ちなみに個人でも楽天銀行は使いやすいのでお勧めです。
また、楽天銀行の場合は、起業したてのお金のない方でも法人口座を作れるので法人口座としてもお勧めできます。
法人のインターネットバンキングの月額手数料も無料ですし、入出金のメール通知サービスも無料と至れりつくせりで、本当に有難いです。
メガバンクはこういうところでも手数料を数千円ととっていますので、そのような殿様商売は、今後数年で変わらざるを得ない状況になるのかもしれません。