前回の記事で「ビットコイン」についてご紹介したので、今回は「リップル」について書こうかと思います。
ちなみに最近はリップルに纏わる詐欺ビジネス(販売代理店など?)があるようなのですが、リップルはbitbank.cc(ビットバンク)などの仮想通貨の取引所で普通に購入できますので、そのような詐欺には騙されないようにしましょう。
さて話は戻りまして、リップル(Ripple)にはGoogle VenturesやSBIなども出資していますが、そんなリップルについては様々な記事がネット上にあります。
3メガバンクやリクルートなどが出資している、ビットフライヤーのリップルに関する説明を参考に、リップルに関して書いていきたいと思います。
- リップルとは何か?リップルの3つの側面
- リップルの仕組みは?IOUについて
- リップルの仕組みで何ができるのか?
- 銀行がリップルを採用する3つのメリット
- リップルはどこで購入できるのか?
- 仮想通貨に関する参考図書(2017年更新)
- リップルに関するまとめ
リップルとは何か?リップルの3つの側面
1. 法人としてのリップル
まず、米国に「Ripple Labs, INC.」という会社があります。この会社のことを「リップル」と呼んだりする人がいます。
ちなみにこのRipple Labs, INC.には、公式サイトのメンバーを確認すれば分かりますが、シリアルアントレプレナーや、金融業界の大物も多数参画しています。
例えば有名なところでいうと、リップル共同創業者の「クリスラーセン」氏は、Prosperという米国大手ソーシャルレンディング業者の共同創業者で、既に華々しい成功をおさめている人物だったりします。
2. プロトコルとしてのリップル
次に、プロトコルとしてのリップルです。
プロトコルとは、簡単に言うと「決済や送金の為の様々なルール」のことです。
「Ripple Labs, INC.」の目的は、この独自の取引のルールが適用される「リップルネットワーク」を作ることにあります。
ちなみに、プロトコルを身近な例に当てはめると「日常生活のルール」です。
一人が日本語、もう一人が英語で会話しても上手くいかないので、「ここでは日本語で話しましょう」というようなルールです。
コンピュータにおけるプロトコルは「通信を行う際の様々な約束事」です。
つまりは、「データの表現方法や電気信号への変換などはこうしましょう」というようなルールです。
3. 仮想通貨としてのリップル(XPR)
最後に、仮想通貨としてのリップルです。
リップルは、「ゲートウェイ」と呼ばれる両替所のような業者(現在では「仮想通貨の取引所」)を通じて、ドルや円などの法定通貨と交換することができます。
例えば、コインチェックのウェブサイトを通じて、10万円を10万リップルに交換できます。
ちなみにリップルの単位は「XRP」ですので、正確には10万リップルではなく、10万XRPと言います。ですので、リップルコインというものはありません。
このXRPの価格に関してですが、常に「1円=1XRP」なのではなく、様々な要因で価格は変動します。
以上より、「1XRP」のことを「1リップル」と呼んだりする人がいるということです。
リップルの仕組みは?IOUについて
リップルは「IOU」という仕組みを持っています。
ここでは「IOUとは何ですか?」という疑問にお応えすべく、上記の記事を更にかみ砕いてみました。
例:日本に住むAさん、Bさん、Cさんという3人がいます
- AさんはBさんから100円を借りています
- BさんはCさんから100円のペンを買いました
- BさんはCさんに対して「支払いの100円はAさんからもらってね」と伝えます
これが「IOU = I owe you = あなたに借りがある」です。
BさんはCさんに対して100円を支払うのではなく、AさんのBさんに対するIOUで支払いを済ませたのです。
CさんはAさんに100円くれと要求することも出来ますし、いずれAさんから100円相当の何かを受け取る時の対価として、IOUを返しても良いことになります。
この状態を言い換えると、「Aさん、Bさん、Cさんの間では、100円を上限とした、円やドルを使わない通貨圏が成立している」と言えます。
このような状態の「通貨圏=リップルネットワーク」を作ることが「Ripple Labs, INC.」の目的です。
リップルネットワークはどの様にして広がっていくのか?
それでは、この「リップルネットワーク」はどのように広がっていくのでしょうか?
例えば、この3人に、アメリカに住むDさんという新しい人物が加わったとします。
DさんはCさんとは友達ですが、他の2人のことは知りません。
ある日、DさんがAさんから100円のペンを買いました。
しかし、Dさんはアメリカに住んでいるので、支払いにコストがかかります。
ここでDさんは、CさんとAさんが友人であることを知り、Cさんにこう頼みます。
「いつか君に100円返すと約束するから、君からAさんに100円を支払っておいてくれないか?」
Cさんはこれを了承し、Aさんに対して自分のIOUを100円分発行すると共に、Dさんから100円分のIOUを受け取ります。
こうしてCさんに仲介してもらうことで、DさんはIOUによる支払いネットワーク(=リップルネットワーク)に参加することが出来ました。
以上の例から分かるように、アメリカに住むDさんがAさんに100円を支払うよりも、リップルネットワークに参加すれば、低コストでお金のやり取りが可能になることが分かります。
IOU(借用証書)の特徴とは?
「IOU」という借金のカタ(借用証書)は、受け手が了承してくれれば様々な通貨で発行可能です。
ですので、IOUの特徴としては、様々な通貨と交換可能であることがあげられます。
先ほどの例でいうと、日本に住むCさんはアメリカに住むDさんから100円分のIOUを受け取っていますが、このIOUは、円やドルやユーロやBitcoinなど、何にでも交換可能なのです。
リップルの仕組みで何ができるのか?
ここまでリップルの仕組みやIOUについて説明してきましたが、「ではリップルで何ができるのか?」という話になります。
個人的には、Ripple Labs, INC.の狙いは「銀行と提携して、国際送金を安くて早くて簡単なものにする」ことだと思っています。
また、上記のニュースにあるように、なぜ世界の大手金融機関はRippleと提携するのでしょうか?
ビットコイン研究所の記事を参考に自分なりに考えてみると、銀行がリップルネットワークを採用すると、大きく3つのメリットを享受できると考えられます。
銀行がリップルを採用する3つのメリット
1. 国際送金のコストが劇的に下がる
まず、銀行間のネットワークのメンテナンスには毎年全世界で何兆円もの莫大なコストがかかっているようです。
詳しい技術は説明しませんが、このリップルネットワークを使えば、遥かに低コストで運用が可能になります。
2. 国際送金のスピードが劇的に上がる
次に、日本から銀行を使って海外送金をすると大抵数営業日かかるのですが、このリップルネットワークを使えば、瞬時に送金が可能になります。
3. 24時間365日送金が可能になる
また、現在日本の銀行は平日9時~15時しか営業しておりませんが、リップルネットワークを採用すれば、24時間365日送金が可能になります。
技術の部分をもの凄く端折って説明したので説得力にかけるかもしれませんが、主に上記3点から銀行はリップルを採用すると思われます。
一方「Ripple Labs, INC.」側としても、信頼のないゲートウェイに勝手なことをされる*と困るので、信用力のある銀行と提携してしまった方が良いのです。
(*Aさんがとあるゲートウェイで10万円をXRPに交換したものの、そのゲートウェイが破たんするなど…)
日本ではリップル(XRP)の投機的価値が話題になっていますが、このリップルネットワークが世界中の銀行で採用されれば、「Ripple Labs, INC.」は銀行の裏側にいるネットワーク提供者になり、恐らく今後は「リップル」という単語は一般の人の耳には入らないものになっていくかもしれません。
リップルはどこで購入できるのか?
最後に、色々と期待できる仮想通貨でもあるリップルですが、最近では仮想通貨詐欺が横行しているようです。
ですので、仮想通貨のリップルを安心して購入できる、まともな仮想通貨の取引所を追記しておきますが、Ripple Labs Inc.の公式サイトに、リップルが購入できる仮想通貨の取引所が紹介されています。
仮想通貨に関する参考図書(2017年更新)
また、リップルなどの仮想通貨の正しい理解のためには、下記の本を読まれることをおすすめしておきます。
1. ビットコインとはなにか?
まず、こちらの「ビットコインとはなにか?」という大石さんの本は分かりやすく、量も短いのですぐ読めるかと思います。
リップルのみならず、仮想通貨の基本を理解するためには外せない本でしょう。
とても古くからある本ですが、非常にわかりやすい本です。
2. いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン
続いて2017年に、初心者向けにとてもわかりやすいビットコインとブロックチェーンの本が出版されました。
ちなみに著者の大塚さんは、コインチェックの取締役COOを務めています。
3. 仮想通貨革命 & ブロックチェーン革命
また、少し古いですが、元官僚で経済学者の野口悠紀雄氏の本もおすすめです。
ちなみに野口氏は、一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学教授を経て、早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授になられたエリートです。
そして、「仮想通貨革命」の続編とも言える名著が2017年に出ましたので、ブロックチェーンにご関心のある方にはおすすめしておきます。
4. ブロックチェーンの衝撃
この他には、少々内容は難しいのですが、2016年に出版された「ブロックチェーンの衝撃」も仮想通貨界隈の著名人?が書いているのでおすすめです。
リップルに関するまとめ
以上、長々と書いてしまいましたが、なんだか最近は、残念ながらスキャムのような仮想通貨のサイトが多いです。
ですので、仮想通貨に関しては、情報の移り変わりが激しいとは言えど、まずは上記のようなきちんとした本を読んで、正確な知識を身につけることをおすすめします。
そして、リップルなどの仮想通貨を購入する際は、インターネット上にある怪しいサイトや販売代理店などを利用するのではなく、きちんとした仮想通貨の取引所から購入されることをおすすめします。