今回はフィンテックの分野の「個人のための銀行編」について書きます。
これまでのフィンテックの分野のサービスに関する記事はこちら↓
- FinTechの分野って何があるの?その①(融資・個人の資産管理編)
- Fintechの分野って何があるの?その②(決済編)
- FinTechの分野って何があるの?その③(個人投資・会計編)
- Fintechの分野って何があるの?その④(機関投資家による投資・資金調達編)
- FinTechの分野って何があるの?その⑤(送金編)
フィンテックの個人のための銀行編(Consumer Banking)
毎度おなじみのこちらの記事によると、フィンテックの分野の「個人のための銀行」とは「個人のための使いやすい銀行サービス」とのことです。
ちなみにこちらでは「Simple」が紹介されています。
Simpleとは?
Simpleは「店舗がないオンライン専用銀行」です。
口座維持手数料を含めてほぼ手数料が無料のようです。
Simpleはクレジットカードに加えて、日々の支出に写真やタグを付けて管理できるアプリも提供しています。
創立4年にして、スペインの大手銀行BBVAに1.17億ドルで買収されました。
少々話は脱線しますが、今回はこのBBVAについても少し触れておきたいと思います。
先進的な海外の銀行「BBVA」とは?
BBVAは、スペイン第2位の非常に先進的な銀行です。
BBVAグループとして、ヨーロッパだけでなくラテンアメリカや米国、中国にも金融業務を広げています。
BBVAは、とにかく目ぼしいスタートアップを買収したり、スタートアップに投資したり、スタートアップと提携して様々な先進的なサービスを提供しています。
以前BBVAが「Atom Bank」と資本提携したという記事を書きましたが、グループ内にあるベンチャーキャピタルのBBVAベンチャーズは、今年の初めにビットコイン決済サービスを提供するCoinbaseにも7500万ドルを出資したりと、ビットコインやブロックチェーン技術に強い関心を寄せています。
BBVA Compass と Dwolla
BBVA CompassはBBVAグループ内の銀行で、米国でサービスを展開しています。
そのBBVA Compassは、DwollaというP2P決済サービスのスタートアップと提携し、リアルタイムの送金サービスを提供しています。
これにより、BBVA Compassに口座を持つ顧客は、自行内もしくはDwollaアカウントを持っている同士であれば、24時間リアルタイム送金が可能になりました。
ちなみに送金手数料は、10ドル以下は無料、10ドル以上は25セントのようです。
BBVA Compass と Ondeck
こちらの参考記事を掻い摘んで説明すると、2014年5月に、BBVA Compassはオルタナティブ・レンディング分野のベンチャー企業OnDeck社と提携を発表したようです。
オルタナティブ・レンディングとは、「オルタナティブ(代替的な)」という言葉で表されるように従来の融資とは異なる方法で提供される商品のことです。
OnDeck社は、主に個人事業主など対象に、自社が保有する独自に審査を行うことができる審査エンジンを用いて、スピーディな融資サービスを提供しています。
具体的には、融資の利用者は「自社の創業年数や業種、住所、クレジット・スコア、銀行口座など」の基本情報をウェブサイトに入力します。
OnDeck社では入力された情報を基に、「申込者の銀行での取引振り、業種特性、実際に事業を行っている場所を推定するほか、インターネット上の口コミサイト上の評判など」を参照して査定し、早い場合はわずか10分あまりで融資額と金利、返済期間などを提示します。
今後は日本の銀行にもこれぐらいのスピード感が求められていくのかもしれません。
モバイルバンキングサービスのMovenとは?
話は「個人のための銀行」に戻りますが、Movenも結構有名かと思うので紹介します。
こちらの1分程度の動画が非常に分かりやすいのでまずはご覧下さい。
参考記事によると、Movenは「送金や現金の引出し等を手数料無料で行えるモバイルバンキングサービス」とのことです。
また、複数の銀行口座をリンクしてその取引状況を管理できたり、Facebookアプリ経由での送金ができたりと非常に便利です。
SNSを審査に活用して消費者ローンも提供していたりと、まさに日本の数年先をいくサービスと言えるでしょう。