金融とテクノロジー雑記

勉強になった本の感想など

銀行員から外資コンサルへの転職や起業を検討している方向けの話

金融・コンサルへの転職

このブログを始めた当初は、フィンテック(FinTech)というコアな領域が多いので、大して読まれないだろうなと思っていましたが、有難い事にFacebookでシェアしてもらったり、GunosyやSmartnewsさんにも取り上げて頂いたりするようにもなりました。

今回の記事はメガバンク→外資系コンサルへのキャリアの話や、起業してから良く聞かれることなども踏まえて自分の備忘録を書いておこうと思います。

コンサルに転職して身につくスキルや経験について

コンサル

まず、メガバンク→外資コンサルへの転職は自分としてはとても有意義でした。

若手の方であれば、外資コンサルで働く1年は、メガバンクで働く3年よりも価値があるんじゃないかと思います。

起業家志望の方に対して元マッキンゼーの南場さんは、「起業するならコンサルは行くな」と言ってはいますが、個人的にはコンサルで身に着けたスキルは、日常生活にも役立っていることが多いので、起業した今でも在籍していて良かったと思います。

コンサルというと批判もされますが、コンサルを経由すると「あらゆる作業スピードが格段に速くなる」(要は仕事の生産性が高まる)点は、本当に良いと思います。

コンサルを経験していなかったら、このブログを書くのにも莫大な時間がかかっていたと思いますし、そもそもこういう考え方で文章を書けるようにはならなかったと思います。

コンサルへの就職はリスクヘッジにもなる

また、起業した今でも 転職サイトなどに登録すると連絡が来たりしますので、「他のコンサルティングファームや事業会社などに転職しやすくなる」点も良いのではないでしょうか。

ある意味リスクヘッジのようなものです。

もちろんプロジェクトによって身につくスキルは変わりますが、それだけでなく、コンサルティングファームでの人的ネットワークの面でも、コンサルに入社して良かったと思います。

ちなみにコンサルでなくても、一度転職すると「比較できるようになる」ので、そういう点は転職の非常に良い点かと思います。

銀行で身につくスキルと起業に活かせるスキル

ビジネススキル

また、独立した後に、良く「銀行で働いた経験は起業に活かせますか?」と聞かれたことがありました。

これについては活かせるスキルもあれば、活かせないスキルもあるし、結局はその人次第という答えにしかならないかと思っています。

同じように「大企業出身者がスタートアップに転職して活躍できるのか?」という問いも良く聞きます。

この転職に関していえば、正直転職先のスタートアップのフェーズによりますし、業界や職種にもよりますし、前職の経験が活きるかどうか、活かせるかどうかは、結局はその人次第かと思います。

ちなみに、銀行に入行して最初の数年で多くの人が身につけるスキルは、主に「営業」と「財務」のスキルかと思います。

所謂社会人基礎力のようなものです。

確かに、経営をする上でもお金について詳しい方が良いとは思いますが、別に財務のスキルが全てではないですし、財務諸表が読めても「稼ぐ力」が無ければ売上は立ちません。

一応銀行に関する個人的な意見を以下に書いておきます。

銀行でしか得られなかったこと

  • 売上数億~数百億の中小企業の社長やオーナーに会える(看板の力で)
  • 富裕層の実態を知れる(決算書や確定申告書、預金残高を見れるので)
  • 融資の資金調達に詳しくなる(エクイティはVCの方が良いかと思います)

銀行じゃなくても身につくこと

  • 財務分析スキル(多分自分で勉強できます)
  • 金融知識(多分自分で勉強できます)
  • 法人営業スキル(他の会社でも良いと思います)
  • 伝統的な日系企業特有の宴会盛り上げスキル(現在活用することは皆無です)

もちろん銀行内での部署によっても身につくスキルは変わります。

ただ、上述したように銀行でなくても身につくことは多いかと思うので、元々起業する意欲のある人にとっては、そんなに長くいるべき場所ではないと思います。

特に金融機関は年功序列でスピード感も無いので、どんなに仕事ができても、年次を超えて出世することはできません。

あとはメガバンクは学閥もかなりあります。

起業は、そんなに長年かけて準備することではない

起業

最近一つ思うのは、起業については、そんなに長年をかけて準備することではないような気がしています。

やりたいならやった方が良いし、今は準備中と言っている人も良く見かけますが、多分その準備はいつまで経っても整うことは無い気がしています。

もちろん人によるとは思いますが、そういう方が多い印象です。

僕がやりたいことがあるなら早いうちにやった方が良いと勧めるのは、僕の好きなメタップス社長のブログの影響が大きいので、最後に記事を引用して終わりたいと思います。

人生の賞味期限

最後に、人生には『賞味期限』のようなものがあるとよく考えています。

私は『挑戦はいつでも出来る』というのは事実でないと思ってます。人の持つ「エネルギー量」は一生を通して同じではないからです。

 

個体差は確かにありますが、エネルギー量は必ず時間と共に減っていくし、お金のように貯蓄できる性質のものでもないです。「生きる」ということはこのエネルギーを消耗していくプロセスと言えます。

 

人を巻き込んだり、ひとつの事に集中するには体力や気力も合わせたエネルギーが必要です。『( 知識 + 経験 )✕ エネルギー量 = 成果 』と言っても過言ではありません。

 

知識や経験があっても、エネルギーが枯渇してしまっていてはもう何かに挑戦しようとは思えなくなってしまいます。この「何かに挑戦できるエネルギーがまだ残ってる期間」を「人生の賞味期限」と私は呼んでいます。

 

十分な知識と経験が揃ってからやろうと考える人もいるかもしれませんが、エネルギー量は年齢とともに減少していくとすれば、いつ始めても実は成果は変わらないのかもしれません。

 

準備万全ではなくても、きっとエネルギーが充実していてる間にやっておくべきなんだと思います。私も28歳になったので、これから人生を賭けてひと勝負しようと思います。やらずに「時間切れ」はどうしても避けたいから。

 

学校もろくに行かずに商売を始めて毎日をやりくりするのが精一杯で、自分のことなんて深く考える機会がなかったので、ここ数年はとても有意義な時間でした。

 

永遠と続く川の流れのような「仕組み」そのものを変える事ができるかは分かりませんが、今はとにかく自分の「仕事」をやり切ろうと思います。

 

人生の賞味期限が切れるまで。