今回はシンガポールのクラウドファンディング事業者のCrowdoをご紹介します。
ちなみにクラウドファンディングの種類についてはこちらをご参照ください。
全体を通してシンガポールの状況について考察している訳でもないので、今度何か資料とともにシンガポールについては考えてみようかと思います。
Crowdoとは?
Crwodoは東南アジアで最大(自称?)のクラウドファンディングサイトになります。
特徴的なのは、以下4つの形態のクラウドファンディングサービスを提供しているところのようです。
ちなみに共同創業者はマッキンゼー、INSEADとまさにエリート街道一直線みたいな経歴を持つ日本人?ハーフ?の方でした。
1. Equity Crowdfunding
1つ目は株式型のクラウドファンディングサービスです。
ちなみに株式型クラウドファンディングの詳細に関しては以前書いたこちらの記事をご覧下さい。日本ではファンディーノ(FUNDINNO)があります。
2. Peer to Peer Lending & 3. Reward Crowdfunding
P2Pレンディングサービスと購入型のクラウドファンディングサービスも提供しているようです。
日本では購入型クラウドファンディングサービスを提供していたキャンプファイヤーが、ソーシャルレンディング事業に参入するようです。
また、日本ではクラウドバンクさんが、株式型と融資型(P2Pレンディング)のクラウドファンディングサービスを提供していますが、Crowdoはさらにバリエーションが豊富なようです。
4. White Label Crowdfunding
個人的にはこの4つ目のサービスが気になりました。
ホワイトレーベル型のクラウドファンディングに関しては、先日クラウドクレジットさんのサイトにとても分かりやすい記事がでていたのでご紹介します。
こちらの記事によると、ホワイトレーベル型のクラウドファンディングは、「ユーザーの目的に合わせてカスタマイズが自由にできる、4つの類型に縛られない、なんでもありのプラットフォーム」との説明がなされています。
Tiltでは、同じプロジェクトの中で、寄付を募ることもできれば、報酬型の商品開発の資金を募ることも可能です。寄付と開発資金の募集のタイミングが異なっても構いません。
たとえば、まずは商品デザインのために寄付を募り、デザイン完成後に商品プロトタイプを製作するために報酬型の資金を募ることもできます。
Tiltではまだ融資の募集や株の販売は行われていないようですが、4類型のクラウドファンディングを1つのサイトで自由に組み合わせられるホワイトレーベル型サイトの出現はそう遠くないかもしれません。
ただ、Crowdoのサイトを見ると上記のニュアンスとは少し違うようで、いまいち詳細がつかめなかったのですが、企業向けに独自ブランドのクラウドファンディングやクラウドソーシングプラットフォームを作れるとの説明がなされています。
ちなみにホワイトレーベルというのは、もともとは、例えばブランド力のないA社が作った商品を、有名なB社がB社の商品として売ってあげる(ブランドを貸してあげる)ことなどを指すようです(参考記事)。
いずれにせよ、このような形態のクラウドファンディングは現状日本に無いので、今後Crowdのような複合サービスが生まれてくる可能性は十分ありうるでしょう。
また、「Crowdo」は大分前にザ・ブリッジにも取り上げられていましたが、当時は名前が「Crowdonomic」だったようです。
日本のクラウドファンディングに関して
日本のクラウドファンディングに関しては、先日朝山さんの記事を読んだので、それについても少し書こうかと思います。
詳細は記事を読んで頂ければと思いますが、僕なりにまとめると以下になります。
- そもそもマーケットが小さい(英語でなく日本語なので)
- PRサービス、コンテンツ作成サービス、広告サービス、専門コンサルティングなどのクラウドファンディングに特化したセカンダリマーケットがない
- 有償で支援者を買ってキャンペーンを盛り上げる等のサービス(裏マーケット)がない
- 「お金がない素晴らしいアイデアに一般からお金を集める」というのが本来のクラウドファンディングのはずなのに、結局クラウドファンディングを成功させるためには結構な額の広告費等を支払わなければならず、「お金がある素晴らしいアイデアに、更に一般からお金を集める」サービスに変遷している
確かに、実際に海外のクラウドファンディングサイトを使うとやたら営業の連絡が来るのでそういう印象はあります。
「クラウドファンディング」というプラットフォームにのっかったビジネスが多いなぁという印象だったのですが、それを朝山さんはセカンダリマーケットと表現されています。
ただ、個人的には日本では朝日新聞が参入したように、今後もそのような発信力を持った大企業が参入してくれば、もう少し状況も変わってきそうな気がしています。
Campfireが手数料を5%に引き下げ
このクラウドファンディングに関しては、先日Campfireが手数料を5%に引き下げました。
以前、日本のクラウドファンディング事業者は欧米に比べて日本の手数料はかなり高いという記事を書きましたが、思ったよりも早く手数料が下がったのでちょっと驚きました。
代表の家入さんはあんまりクラウドファンディングという単語が好きではなさそうですが、今後のCampfireは注目したいと思います。
以上、とりあえず気になったシンガポールのスタートアップを取り上げてみました。他の紹介は下記の記事をご参照ください。