金融とテクノロジー雑記

勉強になった本の感想など

フィリップ・A・フィッシャー本 | 株式投資で普通でない利益を得るの感想

株式投資

先日ようやくフィッシャーの本を読んだので、備忘録がてら内容メモを書いておこうと思います。

2016年はいい加減バフェットだけじゃなく色々読もうと思っていたのですが、気づいたら2016年も終わりに近づいていました…

個人的には結局バフェット本にグレアムやフィッシャーのエッセンスが詰まっている気がしているのですが、引き続き色々と読んでいこうとは思います。

フィリップ・フィッシャーとは?

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まずフィリップ・フィッシャーとは誰でしょうか?

残念ながらWikipedia先生によると「とても成功した株式投資家で、その思想を受け継いだ人の中での著名人はウォーレン・バフェットである」という程度の説明しか書かれておりませんでした。

バフェットがベンジャミン・グレアムとフィリップ・フィッシャーの影響を強く受けていることは有名な話だと思いますが、フィッシャー自体は少々昔の人感があるのかもしれません。

ちなみに息子のケネス・L・フィッシャーは現在でも生きており、運用総資産300億ドル以上の独立系資産運用会社フィッシャー・インベストメントの創業者です。

2016年のフォーブスのビリオネアリストでは、36億ドルの純資産を保有ということでしたので、息子も凄まじい成果を残しています。

そんなフィッシャーが株式を購入する時に検討する15のポイントは、今でも参考になる点があると思うので、今回改めてメモして置こうかと思います。

何を買うべきか、株について調べるべき15のポイント

株式投資

少々古い思考もあるかもしれませんが、以下に挙げるフィッシャーの15のポイントは、株式投資検討時に利用するのみならず、自身で会社を経営している人や会社に所属して働いている人にとっても、「自分の会社は今後どうなのか?」を考える上で役立つ視点だなと、個人的には思っています。

ちなみにこの15のポイントは、翻訳の違い?解釈の違い?によってネット上には色んな形で書かれているようですので、少々表現は違うかもしれません。

フィッシャーの15のポイント

  1. その会社の製品やサービスには十分な市場があり、売り上げの大きな伸びが数年以上にわたって期待できるか
  2. その会社の経営陣は現在魅力のある製品ラインの成長性が衰えても、引き続き製品開発や製造過程改善を行って、可能な限り売り上げを増やしていく決意を持っているか
  3. その会社は規模と比較して効率的な研究開発を行っているか
  4. その会社には平均以上の販売体制があるか
  5. その会社は高い利益率を得ているか
  6. その会社は利益率を維持し、向上させるために何をしているか
  7. その会社の労使関係は良好か
  8. その会社は幹部との良い関係を築いているか
  9. その会社は経営を担う人材を育てているか
  10. その会社はコスト分析と会計管理をきちんと行なっているか
  11. その会社には同業他社よりも優れている可能性を示唆する業界特有の要素があるか
  12. その会社は長期的な利益を見据えているか
  13. 近い将来、その会社が成長するために株式発行による資金調達をした場合、株主の利益が希薄化されないか
  14. その会社の経営陣は好調なときは投資家に会社の状況を饒舌に語るのに、問題が起こったり期待が外れたりすると無口になっていないか
  15. その会社の経営陣は本当に誠実か

どれも非常に大切なポイントだと思いますが、個人的に本書で一番役に立ったエッセンスは、本書の冒頭の方に出てくる「最高の質問」の話でした。

その最高の質問とは「まだ同業他社がしていないことで、御社がしていることは何ですか?」というものなのですが、この質問にはなかなかハッとさせられました。

ピーターティールはその著書「ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか」で、市場を独占せよとの話を書いていますが、ビジネス界においては競合がいない企業の方が少ないかと思いますので、中々本質的な質問なように思います。

それ以外にも色々と学ぶことがありましたので、投資やビジネスにご関心のある方にはフィッシャー本はお勧めしておきます。

株式投資よりロボ・アドバイザーの時代が来る?

ロボアドバイザー

株式投資に関連して、ロボ・アドバイザーの資産運用サービスについて最近思うところがあったので少し書こうかと思います。

個人的にはそもそも「投資」という思想が保守的な日本人にはあまり馴染まないのではないかなと思っていました。なので、ロボアドバイザーサービスも、当初はそんなに流行らない気がしていました。

ですが、実際にTHEOやWealthNaviを利用している友人の運用結果をこないだ見せてもらったところ、これは中々凄いのかもしれないと思い始めるようになった次第です。 

ロボ・アドバイザーWealthNaviの実績

気になる友人の運用結果は、約1ヶ月で10万円が約11万円になっている状態でした。これは中々凄い運用結果ではないでしょうか?

もちろん株式投資でいわゆるテンバガー(10倍株)などを引き当てたら、当初の資金投入量によっては数年で億万長者になれる可能性がある訳ですが…

ただ、バフェット本を読めば分かるように、中長期投資で勝つためにはそれなりに情報収集や分析に時間をかける必要があります(短期トレーダーの方はまた別だと思いますが)。

ロボアドバイザーは企業分析の必要がなく完全にお任せできる

一方、WealthNaviなどのロボ・アドバイザーサービスは、そこまでの大きな金銭的リターンはないものの、何も考えずにスマホでボタンをポチポチ押すだけで国際分散投資が完了し、あとはお任せの資産運用スタイルで良いのです。

もちろん確実に利益がでると保証されている訳ではありませんし、元本割れするリスクもあります。

また、日本のWealthNaviなどのロボアドバイザーサービスは欧米のBettermentなどの資産運用サービスの0.数%の手数料に比べて1%の手数料を得ているので、手数料も少々高い気がしていました。

米国Wealthfront & Bettermentと日本のロボアドバイザーWealthNavi比較はこちら

ただ、約1ヶ月で10万円が11万円になっている運用成績を見ると、これは中々凄いサービスなのかもしれない…と感じ始めております。

短期的な運用成果だけで判断するのではなく、今後の中長期的な成果を見比べての判断も必要かもしれません。

ですが、これはもしかすると自分が思っていたよりも早いスパンで日本で流行りだすのかもしれないなあと思う今日この頃です。

ソーシャルレンディングよりもロボ・アドバイザー?

昨年の年末に今年こそ流行ると言っていた「ソーシャルレンディング」がバズっている感じは残念ながらあまりありません。

ですが、来年は他業種からの参入や大手の参入などによって、WealthNaviなどのロボ・アドバイザー含めた資産運用サービスが、日本でもメジャーなものになっていくのかもしれません。

ロボ・アドバイザーは今のところ自分の予想以上の成績でしたが、そこそこのリスクでそこそこのリターンを得られる資産運用サービスは、日本人の気質にあっているようには思います。

株式投資や投資信託よりもWealthNaviなどのロボ・アドバイザー、そんな風潮が今後数年で日本には巻き起こるのかもしれません。

引き続き来年も日本のFinTechサービスがどんな感じで変遷していくのかは、ちょくちょく自分もサービスを使ってユーザー目線で見ていこうかと思います。