金融とテクノロジー雑記

勉強になった本の感想など

20代で銀行を辞めて良かったという話。

銀行を辞めて良かった

最近改めてタイトルのように思う出来事があったので、若手の方向けに少々書こうかと思います。

本ブログを通じて、これまでに若手銀行員の方にも数人お会いしたことがあります。

彼らから現在はスタートアップや外資系企業などに転職し、「以前よりも充実した時間を過ごせている」というお話を最近聞くことができたので、個人的には非常に良かったです。

キャリアにおいて何が正解なのかは人それぞれなので分かりませんが、本人の中で「自分のキャリアに対する納得感」があれば良いんじゃないかと、最近は思います。

若手銀行員の転職のきっかけは人事異動?

転職のきっかけ

銀行に入行した場合、大抵入行3年目程度で大きな人事異動があります。

一般的にはそこで希望する部署や支店に異動できないと、「銀行を辞める」という選択肢が出てくるようです。

これは、若干後ろ向きな転職の動機ではあります。

ただ、実際に転職して他の企業で活躍していたり、今でも楽しそうに働いている人達を見てみると、異動して出世コースに乗っていたにも関わらず銀行を辞めていたり、そもそも異動の発令前に銀行を辞めていたりする気がしました。

もっと多くのサンプルをみればまた違うのかもしれませんが、そもそも後ろ向きの動機で会社を辞めようとしている転職者を面接官が見ても、あまり採用したいとは思わないのかもしれません。

そしてそんなことを考えていると、今までは「出世コースに乗っているなら、特に銀行を辞めなくてもいいんじゃない?」と思っていたのですが、別にそこはあんまり関係ないのかもなと思うようになりました。

自分にとってインパクトの大きい人と出会う

インパクト

個人的には、入行前から銀行は3年以内には辞めようと思って入行しました。

ですが(今ではもっと早くに辞めて良かったなと思ってますが)、「自分にとってインパクトの大きな人と出会う」というのも、結構転職の後押しになるようには思います。

例えば、僕自身に関して言うと、銀行員時代にグロービスに通っていて、そこで「社外には優秀な人がたくさんいる」と気づけたことなども、多少今の人生に影響を与えているようには思います。

また、グロービスの講師には外資系企業出身者も多く、そういう人達を見ていて「これは外資に転職した方が良さそうだな〜」と思った記憶もあります。

もしかしてベンチャー企業でバリバリやってきた尊敬できる人や、尊敬できる起業家などにもっとたくさん出会っていたら、自分の決断はまた変わったのかもしれません。

数年後の自分からしたら、今の自分の悩みは大したこと無いかも

悩み

なんとなく20代の人から転職相談を受けていると、「もう少し今の職場でやり切ってから…」みたいな発言を聞いたりします。

僕自身もそんな思いがあったような気もしなくもないなと思いましたが、今考えてみれば「それは大したことではなかった」と思うこともたくさんあります。

当時の自分にとってはそれが大きなことのように思えても、数年後の自分から見たら大したことでは無いというような感じです。

例えば、僕は銀行で「デリバティブ取引の案件」をまだやったことが無かった時代、「デリバティブ取引の案件」をやってから銀行を辞めようなどとも思っていたようなこともありました。

ただ、今になって思えば、その「デリバティブ取引」を経験することなく銀行を辞めていたとしても、今の自分の人生にはほぼ影響は無かったですし、正直今ではかなりどうでも良いことだったと思っています。

また、後に経験する仕事のインパクトが大きかったり、働く上での密度が濃くなったりすると、そもそもそんなことを考えていたことすら忘れてしまいます。

ですので、あんまりそういう「やりきり感」にとらわれ過ぎて、転職を躊躇するのも微妙なようには思います。

銀行のように、中途採用も少なくて新卒採用の社員ばかりで溢れている企業で働いていると、どうしても視野は狭くなっていきがちです。

その会社内だけでの常識が、知らず知らずのうちに自分の常識になってしまっているからです。

ですので、「今の仕事はやり切ったから転職する!」という感覚も大切かもしれませんが、環境を変えて1年間働いた後から見てみると、「ああ、自分はどうでも良いことで悩んでいたなあ(というかその事実すら忘れていた)」と思うことも、多々あるのではないかなと思います。

起業失敗のパターンは大学の友達と起業

起業

最後に、若い人から転職だけでなく起業について聞かれることもたまにあるので、ちょっとだけ20代での起業について書いておきます。

個人的にはこちらのグノシーの福島さんが仰っていたことに、とても共感しています。

起業失敗のパターンは大学の友達と起業とグノシー福島氏 - ログミー

当時は大学の友人と始めました。

で、これ超失敗するパターンなんで、皆さんあんまりやらないほうがいいと思います(笑)。

 

これからもし起業とか考えるんだったら、偶々近くにいたからじゃなくて、必ず目的に対して必要な人材を集めるっていうアプローチでやった方が絶対に良いと思います。

 

ほとんどの創業期でのつまずきって、サービスが上手くいかないとかじゃなくて人間関係が上手くいかずにモチベーションが無くなることが、僕が周りで見てたほとんどの会社での失敗例でしたね。


なので目的に対して必要な人材であり、必要な資金を集めるっていうことが大原則として大事かなと思います。

起業時にメンバーを集める時には、とりあえず近くの人(大学の友人だったり)を集めるのではなく、目的に対して本当に必要な人材(適切なスキルやマインドを持っている人)を集める方が良いと言う話です。

個人的には特に「過去に一緒に働いたことがある人」「信頼できる人から紹介された人」などが、一番良いのかなあとは思います。

なので、まあ一緒に働いたことがある人を増やすというか、起業メンバーを見つけるために転職するというのも、手法としてはありなのかなという気もします。

ビジネスにおける誠実さが無い人には注意

また、一緒に働かない方が良い人に関しては、DeNAの南場さんも言ってましたが、「ビジネスにおける誠実さが無い人」とは、絶対に一緒に働かない方が良いと思います。

極端な話、「法律を犯さない、お金を盗まない」とかもこの誠実さには入ってくると思うのですが、こういう根本的な部分に関して信頼を置けない人とは、一緒に仕事をするべきではないです。

ちなみに最近は起業する際のメンバーに関係なく、自分の周りに「運の良い人」や「エキサイティングな人」がたくさんいると、人生の幸福度は上がる気がしています。