今朝Twitterを眺めていたらBinanceに関する興味深いツイートがあったので、仮想通貨業界の中華系企業についてちょっと書こうかと思います。
- 中華系の仮想通貨の取引所Binanceの半年の利益が2億ドル
- 中華系大手マイナーBitmain社の2017年の利益は3200億円以上
- 中華系企業は最初から世界を向いている?
- 仮想通貨の情報を追うための語学力について
中華系の仮想通貨の取引所Binanceの半年の利益が2億ドル
Benefits Binance can Bring
Binance is the world’s largest cryptocurrency exchange. In the first 3 months from inception, profits amounted to $7,500,000 USD.
In the 2nd quarter, profits amounted to $200,000,000 USD. The 3rd quarter is still in progress, and is expected to have further growth.
Any country that can attract Binance to open a branch in their location will receive a handsome tax income revenue.
出典:https://www.linkedin.com/pulse/benefits-crypto-part-1-countries-changpeng-zhao
こちらはBinanceのCEOが書いた文ですが、まあ要は2017年にスタートしたBinanceが、3ヶ月で750万ドルの利益を稼ぎ、半年で2億ドルも利益をあげたという話です。
仮想通貨市場の伸びもあるにせよ、かなりびっくりな業績ですが、そういえば少々前に、ビットコインの最大手マイナーでもあるBitmain社の利益も話題になりました。
中華系大手マイナーBitmain社の2017年の利益は3200億円以上
こちらはジハンウー氏が率いる設立4年目の企業であるビットメイン社が、昨年約3200〜4300億円の営業利益を上げたというニュースです。
日本の大企業でこのレベルで営業利益をあげれている会社というのは、日経新聞の営業利益ランキングによると、下記の17社が確認できます。
営業利益ランキング(単位:百万円)
- トヨタ 1,994,372
- NTT 1,539,789
- ソフトバンク 1,025,999
- NTTドコモ 944,738
- KDDI 912,976
- ホンダ 840,711
- 日産自 742,228
- JR東海 619,564
- JT 593,329
- 日立 587,309
- JR東日本 466,309
- ブリヂストン 449,548
- SUBARU 410,810
- セブン&アイ 364,573
- 国際石開帝石 336,452
- デンソー 330,551
- オリックス 329,224
まあ一年ベースでの成績なのであれですが、逆に言えばそれ以外の日本の大企業はごぼう抜きされてしまったというか…
この利益なら韓国のサムスンも参戦するよなあと思った次第です。
仮想通貨事業を展開・開始予定の日本の大手企業の売上高
ちなみに同じくマイニングに参加した日本のIT企業や、仮想通貨事業を始める予定の日本企業の売上高は下記です。
- サイバーエージェント:約3,713億円(2017年9月期)
- SBIホールディングス:約2,619億円(2017年3月期)
- GMOインターネット:約1,542億円(2017年12月期)
こちらは営業利益ではなく売上高になりますので、いかにBitmain社の営業利益が異常なのかを、お分りいただけたかと思います。
こういうことを考えると、少し前ですと中国企業のXaiomiも爆速で成長してすごかったですが、中華系取引所のBinanceもあっという間に世界トップレベルになってしまい、中華系企業の事業のスピード感と規模感の違いに驚かされます。
中華系企業は最初から世界を向いている?
ちなみに、これはただの一例でしかありませんが、Binanceのキャッチコピー?は、「Exchange The World」で、なんだか最初から世界を取りに行くぞーという印象を受けます。
もちろん中国で仮想通貨の規制があるから世界に展開せざるを得ないという内情もあるかもしれませんが、規制がなかったとしても、中華系の企業は最初から世界を取りに行くようなスタンスなのだなあと、今回の件で感じました。
実際にBinanceのローンチは2017年の夏頃でしたが、Referral Programがない当初から日本人ユーザーにブログなどで取り上げられ、日本人を含めて世界中の人々を取り込みはじめていました。
当初から手数料の安さや取り扱い仮想通貨の多さは目立っていましたが、ユーザー増加に拍車をかけたのはやはりBinanceのReferral Programでしょう。
BinanceのReferral Programの面白い仕組み
BinanceのReferral Programaは、自分の紹介リンクから登録したユーザーの取引手数料のうち、当初は約半分(現在は20%?)が紹介者に入る仕組みでした。
要は成果報酬のアフィリエイトモデルなのですが、この仕組みが通常のアフィリエイトよりも凄いところは、手数料の報酬がリアルタイムで反映される点です。
また、紹介した人がどのコインを買っているのかが、紹介者には分かったりもします。
アフィリエイトに限らず通常の広告収入の場合は、例えば月末締めの翌月末払いのような報酬スタイルが一般的です。
これに対して、報酬がリアルタイムに反映され、かつユーザーが取引したコインをもらうことができるというのは、非常に面白い仕組みだなあと思います。
ちなみに現在ではBinanceを真似して、他の多くの海外の取引所が似た仕組みを導入しています。
中華系企業は成功者をパクるのが早いし上手い
また、同じく中華系マイナー大手のViaBTCが運営するCoinExなどは、Binanceコインと同じようにCETトークンという取引所の独自トークンを配布していました。
ここで感じたのは、中華系企業は成功者をパクるのが早いし上手いということです。
彼らはうまくいった事例をいち早く研究し、パクリ、次第にオリジナリティを付与していくというサイクルをうまく回しているように感じます。
CoinExなどが画面も見やすいので、今後人気が出るのかもなあとも思います。
仮想通貨の情報を追うための語学力について
なお、たまに仮想通貨の情報を追うには、中国語ができた方が良いという意見を目にします。
僕も一応多少中国語ができますが、同じく中国語ペラペラの友人や日本語ペラペラの中国人に話を聞いても、そんなに一般人にとって情報格差があるようには、今の所は感じていません。
仮想通貨業界に限って言えば、中国人は基本的に英語で世界に向けて情報を配信してくれるので、そこまで中国語ができることに大きなアドバンテージがあるのかは不明です。
逆に、日本から世界に向けては英語で発信しないことは多いかと思いますので、日本語を読めることが、ここにきて逆にアドバンテージになる部分もあるかもしれません(笑)
当然ながら仮想通貨業界で働いている人と一般人との間に情報格差はありますが、中国語力が差になることはそこまでないのではないかなあとは思います。
そもそも中国では仮想通貨が規制されていることもあり、仮想通貨業界の中華系プレイヤーは中国人にも訴求したいかもしれませんが、基本的には英語で世界に発信(仮想通貨に限って言えば日本語でも発信) したいと思っているのではないでしょうか。
なので仮想通貨を勉強するためには、英語に関しては読めた方が良いとは思いますが、中国語はどうだろうという感じが個人的な所感です。
いずれにせよ、仮想通貨業界における中華系企業の躍進がすごいので、今後も注目していきたいと思います。