金融とテクノロジー雑記

勉強になった本の感想など

P2P保険は日本で流行るのか?それよりもスマホアプリの保険が気になる。

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大分前に「P2P保険」について聞かれたことがあったので、今日は保険について書こうかと思います。

ブロックチェーンが出てきたときに、これは保険会社のような第三者機関がいらなくなるのか?と思った記憶がありますが、まだ当面そんなことは無さそうだなぁと思う今日この頃です。

ドイツのFriendsurance

The future of insurance | Friendsurance

japan.zdnet.com

こちらの記事によると、人と人との信頼関係をベースとしたP2P保険で、従来の保険よりも手数料が圧倒的に安いとのことです。

例えば家族、あるいは職場の仲間同士でもいい。

参加者が払う保険料金の一部はプールされ、小額の保険請求があった場合はその中から支払われ、それを超える分についてのみ外部の保険会社から支払われることとなる。

面白い仕組みだなぁと思ったのですが、日本にはまだあまりこのような「Friendsurance」のようなサービスは無いような気がします。

記事ではシェアリングエコノミー時代の保険としても紹介されています。

このような、ソーシャルをベースとしたサービスの特徴は、1:NではなくN:Mでサービスが提供され、ビジネスの主体はプラットフォームの運営に徹するところにある。

ただし、このP2P保険サービスの場合、メンバー間でカバーできない保険請求をサポートする保険会社が存在することが前提となっている。

個人的にはこのP2Pという仕組みによって劇的に手数料が安くなる点が良いというより、テクノロジーの発達によって、スマホで、契約締結の手間がほぼなく、24時間いつでも直ぐに入れるようになったら、とても便利だろうなと思います。

多少保険の信頼性が落ちたとしても、手続きが大変面倒であり、別に安くもなく、24時間入ることもできない、既存の大手金融機関の保険(銀行窓販含む)より良い、と考えるユーザーはいるだろうな、という推測です。

必要な時に、必要な金額だけをかけられる保険のアプリ

www.trov.com

ちなみにそんな訳で、個人的にちょっと前に見かけて気になっているサービスがこちらです。

「Trov」は完全に個人と保険会社との仲介役ですが、ユーザーはアプリを通じて、自分の所有物に対して、必要な時に必要な期間だけ保険をかけることができます。

何とも便利です。

更に時代が進んだらこの仲介業者すらもいらなくなるのかもしれませんが、今日本にあったら便利そうだなぁ~と思ったサービスでした。

ちなみにスマホの保険サービスに関しては、日本では少し前にライフネット生命さんが新しいサービスを開始されました。

スマホでペーパレスに給付金を請求できるサービス

blog.livedoor.jp

ライフネット生命は3月1日から、医療保険の給付金について、スマホを使って、ペーパーレスで請求できるサービスを始めました。

請求に必要な情報をスマホで入力し、添付書類を画像でアップロード頂く仕組みです。

個人的には「スマホ時代の生保」を象徴する案件として期待が大きかったので、ようやくスタートできて喜ばしい限りです。

これもまた便利なサービスかと思います。

ライフネット生命さんは今後更にテクノロジーを活用したサービスを提供していく方向にいくのかなぁ、とちょっと思っています。

P2P保険は国境を超えるのか?

規制面がどうなのか良く分かりませんが、P2P保険は少額の保険のみならず、国を超えたサービスにも応用できそうなイメージはあります。

パトロンみたいな感じになりそうですが、日本の個人が新興国の個人に保険をかけるみたいなイメージです。

パトロンがビットコインなどで生活資金を支援してあげるのではなく、保険のリスクを背負ってくれる、そんな感じです。

強すぎる日本の大企業と規制

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ちょっと空想が膨らんでしまいましたが、いずれにせよ日本では利便性が高くコストメリットがある保険のサービスが出ても、マス層は既存の大手保険会社から切り替えるメリットを感じられず(というか気づかず?)、すぐにはブランドや信頼がある既存の保険会社から市場を奪うのは難しいのでしょう。

数年のスパンで物事を見据えて根気よく取り組む人が出てきた時に、大きく日本の保険業界の状況は変わるのかもしれません。

以前も書きましたが、損保も生保も寡占市場すぎな上に金融の規制も強すぎるので、日本だと新規参入のハードルが極めて高いです。

何かの記事で読みましたが、「金融の規制緩和」が、日本が世界に後れを取らない上での一つのポイントかと最近思います。

銀行の買収規制を緩和するよりも、新規参入のための金融規制緩和の方が、ベンチャーの新規参入も促進され、業界内の競争が促進され、ユーザーにとって良いサービスが生まれてくるような気がしています。