金融とテクノロジー雑記

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メタップスのpringが興味深いお金アプリだったのでメモ

pring

メタップスのpringが面白そうなのでメモを残しておきます。

pring(プリン) -お金コミュニケーションアプリ-

友人にpringの興味深さを話してもあまり同意が得られなかったのですが、個人的には若い人から年配の方まで、もしかしたらかなり使われるのかも…?と思えたアプリでした。

日本でもスマホ決済できるアプリが増えてきましたが、その中でもなんとなく異質な気がしたのがpringです。

日本でスマホ決済アプリと言えば…?

中国ではwechatやalipayが強いため、今から新しい決済アプリが市場をとることはできないでしょう。

一方、日本ではスマホ決済ができるアプリや、個人間送金ができるアプリといえば、現状はまだ色々あります。

  • LINE Pay
  • 楽天ペイ
  • d払い
  • Origami Pay
  • paymo
  • メルペイ(※リリース前にて詳細は不明)

例えばこの辺が挙げられますが、最近はさらにゆうちょPayのニュースもありました。

ゆうちょ銀、スマホ決済に参入 「ゆうちょPay」19年2月スタートへ - ITmedia NEWS

ゆうちょPayは2019年2月に開始予定ということでしたので、まあ実際のスタートはもっと遅くなるのかもしれません。。

消費者側としてはどれかに統一してくれてもよかったのだけど…というところではありますが、とにかく色々なアプリや支払い手段があるのが現状の日本です。

これらのアプリはどれも便利なのですが、共通点は〇〇payや、支払いという点が若干強調されている点です。

メタップスのpringの興味深い点

pring

そんな中登場したのが、メタップスのpringです。

pringでももちろん支払いができるのですが、「支払い」や「pay」ではなく、「お金コミュニケーション」をアピールしている点が非常に興味深いです。

株式会社pringは、もともとは2017年5月にエムウォレット設立準備株式会社として、メタップス、みずほフィナンシャルグループ、みずほ銀行、WiL LLC.の出資によって設立されました。

それが株式会社pringとなり、2018年3月にpringを正式リリースをしました。

興味深かった点をメモしておくと、

  • お金コミュニケーションアプリと言っている
  • みずほ銀行と三井住友銀行と提携(=信頼)
  • チャージも払い戻しも簡単にできる
  • 若い人も年配の人も、使えそうなUI
  • ところどころにひらがながある
  • かわいい系
  • 手数料は完全無料
  • インストールすると100円もらえる
  • 電話番号を取得される
  • 個人情報の詳細(住所等)を取得される

などなどです。

普通のアプリだとあまり個人情報を入力したくなくなりますし、よっぽどのインセンティブがない限り途中で入力をやめてしまいます。

ただ、pringの場合はインストールするとお金をもらえるというインセンティブがあったり、みずほ銀行と三井住友銀行の信頼感から入力するのかも?とは思います。

現状、pringは全ての機能が完全無料で使える

pring

今の所pringは完全に無料で使えます。

マネタイズはユーザーが集まってからやる予定なのかもしれませんが、個人のユーザーで特に出金手数料が無料なのはありがたいです。 

友達招待キャンペーンでの拡散

pring

ちなみに、先週まで友達招待キャンペーンをやっていたため、ネット上にもpringの口コミが増えました。

Twitterをみていてもちょくちょくpringに関するコメントがあるので、一定の効果はあったのではないでしょうか。

アプリの普及のさせ方の第一弾としてのリファラルやアフィリエイト、次にもしかしたらTVCMなども出てくるのかもしれません。

pringのIDと電話番号で友人を探せる 

pring

また、買取アプリのcashが出た時もそうでしたが、pringでは電話番号を取得されます。この電話番号を取得する方法というのは、理にかなっているように思います。

中国の深センでは顔認証で買い物ができるケンタッキーがありますが、あれも最終的には電話番号をタッチパネルに入力して決済が完了します。

日本でも電話番号を持っていない人というのはあまりいませんし、電話番号で人の与信を把握するというのはあるのでしょう。

電話番号といえばSoftbank、docomo、KDDIといった通信キャリアが徐々に金融領域にきていますが、今後ますます業界の垣根はなくなっていくように思います。

pringは今後普及するのだろうか…?

ここまで色々とpringの面白い点やポジティブな点を挙げてきましたが、もちろん懸念点もあります。

  • そもそも、人々がpringのアプリをインストールするのかは謎
  • そもそも、インターネットバンキングがないとpringを使えない
  • 現状、pringをどこのお店で使えるのかよくわからない

例えば、origami payであれば、アプリにログインした時に使えるお店が表示されます。

origami payは今後ローソンでも使えるようですので、ますます使える場所は増えていくようには思います。

origamiはファッションのイメージが強かったのですが、日本交通やコンビニにも導入しているのですごいなと思います。

ただ、最後の使える場所に関しては、メタップスも直近ではニチガスのニュースが出ましたので、今後増えていくことは確実でしょう。

株式会社pring(プリン)と日本瓦斯株式会社(ニチガス)の業務提携のお知らせ

ちなみにこちらのニュースでは、pringの主な特徴として下記を挙ています。

  1. 無料での銀行口座から本アプリへのリアルタイムチャージ、
  2. 本アプリのユーザー同士による1円単位でのリアルタイム送受金、
  3. QRコードやバーコードの読み取りによる本アプリ加盟店での決済、
  4. 振込手数料無料で本アプリから自身の銀行口座へお金の戻入れ、等が可能であること

このような点をアピールをしていることからもわかるように、pringは機能的にも色々と便利ではあります。

ただ、個人的には機能面よりも、アプリとしての見せ方が面白いなあと思った次第でした。決済アプリというより、SNSに近づいていくのでしょうか?

はたして2018年にpringはどこまで普及するのか、pringには仮想通貨なども絡んでくるのか、メタップスの今後の施策が気になるところです。

公式サイトはこちら:pring(プリン) -お金コミュニケーションアプリ-