たまたま昼ご飯を食べに入ったファミレスの隣の席で、モルスタIBDのOB訪問をやっていました。
就活性の方が、「1年目から成長したいんです!だから、日系の銀行には行きたくないんです!」と言っているのが印象的でした。
思わず心の叫びが出そうでしたが、ググると新卒で金融業界にいくなら外資系か日経か?という記事もありました。
この記事はバックオフィスの話だったからか、日系を進めていましたが、個人的には就職先は学生時代のその人のレベルに寄る気がします。
僕は学生時代何もしてなかったのでメガバンクに拾ってもらって入りましたけど、元々秀でている方で金融業界で選ぶなら、外資いかれた方が良いんじゃないでしょうか。
最近学生の方から就活相談のご連絡を頂くことがあるので、個人的に思うところをつらつら書いておきます。
日系と外資で一年目で身につくスキルの差
何をもって「成長」とするのか?
という話もあるかとは思いますが、日系の大手金融機関に就職されてしまった場合、1年目は外資系金融と比べて給与水準も低いことに加えて、「身につく汎用的なスキルがあまり無い」のは事実ですので、入ってしまったらもうしょうがないです。
外資の方々と給与面でもスキル面でも大変差がついてしまう点は、潔く諦めましょう。
給与面に関して言えば、日系の金融機関に新卒で入った場合の初任給は手取り20万ぐらいですが、GSとかならバックオフィスでも50~60万ぐらいはいくでしょう。
スキル面に関して言えば、僕はコンサルとの比較しかできませんが、外資コンサルに新卒で入社した2年目の方が、日系金融機関の4~5年目より仕事できる場合も全然あります。
ロジカルシンキングやワード・エクセル・パワポなどの汎用的なスキルはもとより、仕事の進め方やらPM力やらコミュニケーション力やら何やら…
なので、まあ人にもよると思いますが、外資金融に入社されて1年間しっかりやられた方とは、それぐらい差がついてしまうのかな?といった印象はあります。かたや飲み会で上司にお酒をつぐ日々が続く一方、かたや深夜まで毎日一生懸命働いていたら、普通に考えてそれぐらい差はつくのはある意味当然でしょう。
日系金融機関に入ってしまった場合の対処法
ですので、他の企業にいきたかったけれども日系金融機関に入ってしまった場合は、早めに転職活動の準備を進めるのが良いのでは無いでしょうか。
一方、東大卒などの学歴がある方(英語が話せると尚良し)でしたら、ひたすら人事部と上司に気に入られることを目指し、出世街道を歩むのも良いのかもしれません。
財閥系は学歴がないと中々本部での出世は厳しいので、そうでなければ現場で支店長や支社長を目指すというもありなのかもしれません。大きな支店での額面の年収はMax2000万円ぐらいかと思われます。
結構銀行員は不動産を持たれている方も多いので、実際の所得はもっと多い人もいるかもしれませんが、大体それぐらいのイメージです。ただ、正直そのような報酬を得られる銀行員はほんの一握りであることも事実です。同期500人いたら多分2~3人程度じゃないでしょうか。
中には支店長になってから独立する方や中小企業の役員になる方、関連会社の部長職あたりで出向する方もいますが、そもそも20数年後までその時は訪れませんし、20数年後に今のこの金融機関の人事体制がどうなっているのかは誰も分かりません。
現状はそんなに転職する気がなくても、自分の市場価値を把握しておくために、転職サイトにレジュメを登録しておくのは個人的にはオススメです。
ベンチャー企業に関する良くある話
冒頭の就活生の話に戻りますが、こんなやり取りがありました。
モルスタIBD:「成長したいならベンチャーはどうなの?」
就活生:「いや~ベンチャーは…名刺に皆が知らない会社名が刻まれるのが嫌です!」
かなり辛辣な意見でしたが、その後IBDの方から「君は本当に成長したいの?それともただのミーハーなの?」という鋭い突っ込みもあり、なんとも言えない感じでした。
個人的には新卒の就職の選択肢として、「ベンチャー企業」や「スタートアップ」も、人によっては適しているのではないか?と思っています。
僕は新卒でベンチャーやスタートアップに入った事が無いので分かりませんが、学生時代から実力がある方にはきっと適しているのでしょう。更に、学生時代から突出されている方はそのまま起業していることも多々あるように思いますし。
ただ一つだけ言えるのは、そのような実力のある学生の方が、間違ってこてこての日系大手金融機関に入ってしまうのは、大変勿体ないなと思います。大企業でもDeNAやリクルートなどは良さそうな印象がありますが、僕は働いたことが無いのであくまで勝手なイメージです。
日系金融機関の最大の利点は、首を切られる事がない点
日系金融機関の一年目は、運が悪いと、大した能力も無い、ただ怒鳴り散らしているおじさんの下、媚びをうって生きていくしかない場合もあります。
もちろん中には優秀な上司もいますが、そういう人達と働ける確率は極めて低く、大抵の若手社員は、残念ながら、ただ偉そうにしているおじさんの下で働くことになります。
ですが、他の企業の社員と、そのおじさんとを比較することができないので、残念ながら、在職中はそれが普通のように思ってしまうようになります。
また、どんなに優秀でも、年功序列です。
ドリームインキュベーターの広告でも「26歳でマネージャーの時代」というのがありましたが、日系の大企業ではIT系以外では基本的にどんなに優秀でも20代でマネージャーになることはほぼ不可能ですので、その辺も、もうどうしようもありません。
なので、思いつく最大の利点は、やはり「首を切られることがない点」でしょう。
他には、仕事ができてもできなくても「給料が大して変わらない点」、業界のトップ金融機関であればヤバくなったら国が救うと思いますので、「犯罪を犯さなければ多分定年までは安泰な点」、あたりが挙げられます。
外資系企業は能力が無い人は消えていく場合もありますので、スキルや能力が無い人が上に立つという事態は起きにくいようには思いますが、自分が切られてしまう可能性も無きにしも非ずです。
以上、かなり偏った見方でズバズバ書いてみましたが、僕が就活生に相談されたらこの辺りを答えるかと思いましたので、書いておきました。
もちろん僕とは全く異なる意見を持つ銀行員の方も多くいるかと思いますので、就活生の方は、あくまで一個人の意見として参考にして頂ければ幸いです。