元銀行員の金融とテクノロジー雑記

主に金融とテクノロジー(フィンテック・ブロックチェーン・ビットコイン)、投資(株式・FX・不動産・仮想通貨)を学ぶために書いている雑記

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FinTech(フィンテック)革命で銀行は死ぬのか?元銀行員が3つの観点から考察してみた。

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「FinTechの分野」に関して続きを書こうと思ったら、気になる記事が出ていたのでちょっと元銀行員としてコメントしておきます。

itpro.nikkeibp.co.jp

まず最初に僕の結論ですが、FinTech革命やBlock Chain革命が起きても「日本の銀行は死なない」と思います。別にもう銀行員じゃないので死んでも良いんですが。

冗談はさておき、公共性の観点からも銀行が潰れたら困るかと思います。以下に日本の銀行が死なない理由を簡単に書いておきます。

1. 銀行は日本という国とともに事業を営んでいる

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銀行などの公共性の高い事業になると、政府(特に金融庁)や国家との結びつきが密になり、彼らとの調整のもとに事業を運営していく必要がでてきます。特にメガバンクなどは「大きすぎて潰せない」典型かと思います。

これは僕の憶測ですが、お偉いさん同士の結びつきがあると思うので、銀行に都合の悪いサービスが出てきたら、最終「国の規制(法律)を変える」という手段もあると思っています。 

例えば銀行の送金分野は今最も様々なテクノロジーにディスラプトされる可能性が高いと思いますが、日本という国が「銀行以外の会社が、ビットコインやブロックチェーンテクノロジーを用いた送金サービスを提供してはいけない」という法律を定めた瞬間に、サービス提供業者の事業は終了します。

これは少し極端な例ですしスピード感も考慮にいれていませんが、それぐらい金融業と国の結びつきは強いと感じています。

銀行から経済産業省に出向になったり、官公庁から銀行へ出向になったりする人事異動の背景には、そのような政治的な要因があるのかもしれません。

2. 潰れたらみんな困るし、急にはみんな変われない

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これは単純に、「銀行が潰れたら色んな人や企業が困る」という話です。

例えば、融資を受けている大企業や中小企業が困ります。また、銀行は毎日と多額の決済(振込や送金など)を取り扱っていますので、銀行が止まってしまったら皆さんのお給料も支払えなくなりますし、ATMからお金をおろせなくなったりと、多くの人々が困ってしまいます。

「銀行が潰れてもビットコインなどの仮想通貨があるじゃないか」という意見もあると思いますが、多くの人はそんなにすぐに今の生活を変えることはできないと思います。

何が言いたいかというと、「テクノロジーの進歩が速すぎて、多くの人はそれについていくことができない」ということです。

例えば、未だにインターネットを使えない方々というのが銀行の取引先(つまりは地域の中小企業など)には存在します。

僕の記事を読んで下さる方々の中には、あまりそういう方はいらっしゃらないと思いますが、インターネットがこんなにも普及している現代でさえ、オンラインバンキングを使わずに、毎日銀行の窓口に来る中小企業の方や高齢者の方が多く存在します。

お金のやり取りをオンラインではなく「手形」という紙で続けたい中小企業の方々など、現状を変えたくない人々というのが世の中には一定数存在します。

仮に様々なテクノロジーの元、銀行業務が脅かされることになっても、現在の環境が変わっていくのには時間がかかると思われます。

そんな訳で「テクノロジー」だけではどうしようもない「感情」や「慣習」がある限り、銀行は存続するのでしょう。

3. お金があるので何とかする

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極論、最後は困ったら「お金で解決」する(FinTech企業を買収する)のが銀行ではないでしょうか。参考までに三菱東京UFJ銀行さんのバランスシートを確認してみました。

銀行は、お客様からお預かりした「預金」は「負債」として計上していますので、そちらではなく上の方にある「資産」の内訳の現金を見てみますと、なんと約47兆円もありました。

ちなみにお客様からお預かりしている「預金」は約154兆円、資産である「貸出金」は約111兆円、半期の経常収益(一般の企業でいう売上高)は2.9兆円と、銀行業が国に与えるインパクトは大きく、本当に儲かるビジネスモデルだなぁと改めて痛感しました。

ですが、冒頭の記事にもあるように、銀行員の方々は他の企業で働いた経験がある訳でも無いのに銀行至上主義なところがあるので、話半分で聞いとくのが良いと思います。

また、銀行員には「決められたルールの下で、いかに成果を出すか?」が求められますので、そのような銀行内部からイノベーションが起きるはずもないのは、言うまでもありません。

ですので、銀行はフィンテック(FinTech)企業と敵対するのではなく、協業してイノベーションを取り込んでいくのでしょう。かなりズバズバ言ってしまいましたが、それでは今日はこの辺で。