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元銀行員の金融とテクノロジー雑記

主に金融とテクノロジー(フィンテック・ブロックチェーン・ビットコイン)、投資(株式・FX・不動産)を学ぶために書いているただの雑記。

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Googleが出資する「リップル(Ripple)」の本質的価値とは?

仮想通貨-リップル 仮想通貨

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【2017年2月追記】

前回の記事で「ビットコイン」についてご紹介したので、次は「リップル」について書こうかと思います。

「リップル(Ripple)」にはGoogleが出資していますが、そんな「リップル」については様々な記事がネット上にあります。

ちなみにこちらがリクルートさんが出資しているビットフライヤーのリップルに関する説明です。 

リンク先の説明だけを読んでも僕自身もイマイチ良くわからないので書いていきたいと思いますが、間違いがあればご指摘下さい。

リップルの3つの側面

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1. 法人としてのリップル

まず、米国に「Ripple Labs, INC.」という会社があります。

この会社のことを「リップル」と呼んだりする人がいます。ちなみにこの会社には金融業界の大物が多数参画しています。

2. プロトコルとしてのリップル

次にプロトコルとしてのリップルです。プロトコルとは、簡単に言うと「決済や送金の為の様々なルール」のことです。「Ripple Labs, INC.」の目的は、この独自の取引のルールが適用される「リップルネットワーク」を作ることにあります。

ちなみに、プロトコルを身近な例に当てはめると「日常生活のルール」です。

一人が日本語、もう一人が英語で会話しても上手くいかないので、「ここでは日本語で話しましょう」というようなルールです。

コンピュータにおけるプロトコルは「通信を行う際の様々な約束事」です。データの表現方法や電気信号への変換などはこうしましょう、というようなルールです。

3. 仮想通貨としてのリップル(XPR)

現在リップルは、「ゲートウェイ」と呼ばれる両替所のような業者を通じて、ドルや円などの法定通貨と交換することができます(今後できなくなるかもですが)。

例えば、エクスチェンジ東京などのゲートウェイと呼ばれる業者のウェブサイトを通じて、10万円を10万リップルに交換できます

ちなみにリップルの単位は「XRP」ですので、正確には10万リップルではなく10XRPと言います。もちろん常に「1円=1XRP」ではなく、様々な要因で価格は変動します。

以上より、1XRP」のことを「1リップル」と呼んだりする人がいるということです。

リップルの「IOU」の仕組み

d.hatena.ne.jp

リップルは「IOU」という仕組みを持っています。IOU」って何ですか?という疑問にお応えすべく、この記事を更にかみ砕いてみました。

例:日本に住むAさん、Bさん、Cさんという3人がいます

  1. AさんはBさんから100円を借りています
  2. BさんはCさんから100円のペンを買いました
  3. BさんはCさんに対して「支払いの100円はAさんからもらってね」と伝えます

これがIOU=I owe you = あなたに借りがある)」です。

BさんはCさんに対して100円を支払うのではなく、AさんのBさんに対するIOUで支払いを済ませたのです。

CさんはAさんに100円くれと要求することも出来ますし、いずれAさんから100円相当の何かを受け取る時の対価として、IOUを返しても良いことになります。

この状態を言い換えると、Aさん、Bさん、Cさんの間では、100円を上限とした、円やドルを使わない通貨圏が成立している」と言えます。

このような状態の「通貨圏=リップルネットワーク」を作ることが「Ripple Labs, INC.」の目的です。

リップルネットワークはどの様にして広がっていくのか?

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それではこの「リップルネットワーク」はどのように広がっていくのでしょうか?

例えばこの3人に、アメリカに住むDさんという新しい人物が加わったとします。DさんはCさんとは友達ですが、他の2人のことは知りません。

ある日、DさんがAさんから100円のペンを買いました。しかし、Dさんはアメリカに住んでいるので、支払いにコストがかかります

ここでDさんは、CさんとAさんが友人であることを知り、Cさんにこう頼みます。

「いつか君に100円返すと約束するから、君からAさんに100円を支払っておいてくれないか?」 

Cさんはこれを了承し、Aさんに対して自分のIOUを100円分発行すると共に、Dさんから100円分のIOUを受け取ります。

こうしてCさんに仲介してもらうことで、DさんはIOUによる支払いネットワーク(=リップルネットワーク)に参加することが出来ました。

以上の例から分かるように、アメリカに住むDさんがAさんに100円を支払うよりも、リップルネットワークに参加すれば、低コストでお金のやり取りが可能になることが分かります。

IOU」は様々な通貨と交換可能

「IOU」という借金のカタは、受け手が了承してくれれば様々な通貨で発行可能です。

つまり、先ほどの例でいうと、日本に住むCさんはアメリカに住むDさんから100円分のIOUを受け取っていますが、このIOUは「円やドルやユーロやBitcoinなど、何にでも交換可能」なのです。

リップルの仕組みで何ができるのか?

ここまでリップルの仕組みを説明してきましたが、「では何ができるのか?」という話になります。

個人的には、Ripple Labs, INC.の狙いは「銀行と提携して、国際送金を安くて早くて簡単なものにする」ことだと思っています。

また、下記のニュースにあるように、なぜ世界の大手金融機関はRippleと提携するのでしょうか?

cryptocurrencymagazine.com

jp.forexmagnates.com

その答えのヒントとなるのがこちらの記事です。

doublehash.me

この記事を参考に自分なりに考えてみると、銀行がリップルネットワークを採用すると、大きく3つのメリットを享受できると考えられます。

銀行がリップルを採用する3つのメリット 

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1. 国際送金のコストが劇的に下がる

まず、銀行間のネットワークのメンテナンスには毎年全世界で何兆円もの莫大なコストがかかっているようです。詳しい技術は説明しませんが、このリップルネットワークを使えば、遥かに低コストで運用が可能になります。

2. 国際送金のスピードが劇的に上がる

次に、日本から銀行を使って海外送金をすると大抵数営業日かかるのですが、このリップルネットワークを使えば、瞬時に送金が可能になります。

3. 24時間365日送金が可能になる

また、現在日本の銀行は平日9時~15時しか営業しておりませんが、リップルネットワークを採用すれば、24時間365日送金が可能になります。 

技術の部分をもの凄く端折って説明したので説得力にかけるかもしれませんが、主に上記3点から銀行はリップルを採用すると思われます。

一方「Ripple Labs, INC.」側としても、信頼のないゲートウェイに勝手なことをされる*と困るので、信用力のある銀行と提携してしまった方が良いのです(*Aさんがとあるゲートウェイで10万円をXRPに交換したものの、そのゲートウェイが破たんするなど)。 

日本ではリップル(XRP)の投機的価値が話題になっていますが、このリップルネットワークが世界中の銀行で採用されれば、「Ripple Labs, INC.」は銀行の裏側にいるネットワーク提供者になり、恐らく今後は「リップル」という単語は一般の人の耳には入らないものになっていくでしょう。

【2017年2月追記】仮想通貨の推薦図書

仮想通貨やビットコイン、ブロックチェーンの正しい理解のためには、こちらの3冊を読まれることをオススメします。

仮想通貨革命

ブロックチェーン革命

ブロックチェーンの衝撃