金融とテクノロジー雑記

勉強になった本の感想など

インド・中国・米国でのモバイル決済(モバイルペイメント)の普及。

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モバイルペイメントについては以前も少し書きましたが、単語が日本人に馴染みのないせいか?あんまりネットで検索しても記事が出てきません。

モバイル決済と書いた方が日本人には分かりやすいのでしょうか?

ネットからスマホと言われているこのご時世ですので、モバイル決済市場自体が伸びることは確実ですし、携帯で色々買い物やら送金やらが簡単にできた方が明らかに便利だと思うのですが、日本ではあまり話題になっていない気がします。

決済事業に進出するIT企業

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ちなみに以前こんな記事がありました。

1つ目の記事のタイトルはeコマース業界となっていますが、内容がフィンテックに関するものでもあり良記事でしたのでご紹介しておきます。

1つ目の記事もそうですが、最近読んだ2つ目の記事にもAppleやGoogle、Facebookなどの米国巨大IT企業の話が書かれており、今後ますます彼らはモバイル送金や決済、ローンなどの金融領域に入り込んで来る(というか既存金融機関をディスラプトしていく)のを思い出したのでシェアしておきます。

インドのモバイル決済が急伸中

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僕が良く引用するブログ(カードBizと僕の勝手気ままログ)の内容がちょうどモバイルペイメント関連だったので、備忘録的に書いておこうかと思います。

最初の記事は、インドのモバイル決済が急伸しているという話です。 

スマートフォンやタブレットは2020年まで年率30%の勢いで成長。

モバイル決済取扱高は2011年8,600万ドルから、2016年には11.5億ドルになると予測している。年率68%の伸びだ。 

記事にも書かれていますが、インドではペイティーエム(Paytm)が有名です。先日日経新聞にも取り上げられていました。

電子決済 インドで開花 最大手Paytm 20年までに5億人 :日本経済新聞

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図にも書いてありますが、銀行口座は持っていないけれども、スマホは持っているという人々が新興国には多く存在します。

以前Unbankedについて少し書きましたが、もう少ししたらUnbanked向けサービスも知名度を帯びてくる気がします。

中国のモバイル決済も急拡大中

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2つ目の記事は、中国でもモバイル決済が急拡大中で銀行の収益を奪っているという内容です。

Alipay(アリババグループのサービス)とWeChat Payは、銀行のネットワークを介さずに、勝手に独自の決済ネットワークを築いているので、銀行に収益が落ちないという話です。

中国には、中国銀聯の決済ネットワークという、中国人民銀行(中国の中央銀行)の主導で設立された中国国内の銀行を結ぶ決済ネットワークがあります。

アリババやWechatはそれとは別の決済ネットワークを築いているということで、日本で考えてみればLINEが銀行収益を奪っているような感じです。

ただ、Wechatは僕も使っていますが日本よりもかなり先を走っている印象で、LINE Payが独自にネットワークを築いて日本の銀行から決済(特に個人間送金市場)を奪うのは多分無理というのが僕の考えです。

セキュリティ不安ですし、いまいちLINE Payの説明を読んでもすぐに理解することができないので。

LINEはC2C(P2P)の送金分野よりも、企業アカウントのB2Cの決済領域の方が消費者ニーズがありそうな気がしています。LINE内で購入できた方が楽ですし。

ただ企業側はLINEに決済手数料をとられるようになってしまうデメリットもあるので、今後サービスが開始されるのかは分かりませんが…

米国の銀行は常に日本の銀行よりも動きが早い

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冒頭の記事を再度少し引用しておきます。

個人間モバイル送金決済の利用が広がっている。

ベンモ(Venmo)やスクエアキャッシュ(Square Cash)、グーグルウォレット(Google Wallet)など。

これらフィンテックに押されぎみだった銀行が個人間P2P送金決済をスタートさせる。

通常の銀行振込と違い、E-mailや携帯電話番号で送金できるのが特徴だ。

スタートするのはバンクオブアメリカとU.S.Bank。 

日本の所謂都市銀行は、中から見ても外から見てもスピード感の無さが半端ない気がします。

ただ、商社と同じくトップダウンなのでトップがまともであれば大分体質は変わるような気もするというのが僕の考えです。

www.wellsfargo.com

ちなみに先日「Wells Fargo」のカードをサムスンペイにリンクさせることで、サムスンの携帯でショッピングが可能になりました。Wells Fargoはサムスンなのかぁとふと思った瞬間でした。

あとE-mailで思い出しましたが先日こんなニュースが出ていました。 

超速Pay

blogs.itmedia.co.jp

個人的に今後が気になるサービスだったのですが、ご関心のある方は内容を覗いてみてください。

モバイルバンキングの参考図書

ついでに参考までにコンサル時代のシニアマネージャーが推薦していたMobile Bankingの良書も紹介しておきます。

それでは今日はこの辺で。