随分前に大前研一氏の記事が話題になりました。
金融とITの時代が到来しているので、以前の記事にも書きましたが、今後もますます他業種からの参入は増えるように思います。
こちらのニュースについてコメントする前に、矢野経済研究所さんの記事も少し読んだのでご紹介します。
- 日本のFinTech市場
- 日本のFinTechへの投資額
- 米国のFinTechへの投資額
- 他業種から金融分野への参入
- 通信業界の事例
- KDDIと三菱東京UFJ銀行の「じぶん銀行」
- じぶん銀行のおトク?なATM手数料
- 新生銀行のATM手数料
- 住信SBIネット銀行の手数料
日本のFinTech市場
国内FinTech(フィンテック)市場に関する調査結果 2015 - 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
- 2015年度の国内FinTech市場規模は33億9,400万円の見込
- クラウド型会計ソフトとソーシャルレンディングが市場を牽引
- ブロックチェーンの急速な拡大や、官民による支援体制の整備などを背景に、2020年度には567億8,700万円に急拡大すると予測
市場規模をどのように算出されたのか詳しく見ていないので分かりませんが、欧米と比べると非常に小さい額のように思います。
ちなみに日本国内の生命保険の市場規模は約40兆円、銀行業界は約20兆円と言われています(算出方法によって違うと思いますが規模感は大体これぐらいなイメージです)。
日本のFinTechへの投資額
投資額について見てみると、以前Moneyforwardさんが記事を書かれていました。
https://moneyforward.com/mf_blog/20150619/funding2015/
- 2013年度:約40億円
- 2014年度:約55億円
米国のFinTechへの投資額
一方の米国はというと、アクセンチュアが以前レポートを書いています。
http://www.fintechinnovationlabnyc.com/11609.aspx
- 2013年度:約3,390億円($3.39 billion)
- 2014年度:約9,890億円($9.89 billion)
分かりやすく1ドル=100円換算ですが、物凄くざっくり見ても、米国の投資額は2013年は日本の約84倍、2014年は約180倍ですので、かなりの開きがあることは確かでしょう。
他業種から金融分野への参入
冒頭の大前さんの記事に戻りますが、記事には下記のような内容が書かれています。
日本は、JR東日本の「Suica」や首都圏の私鉄・地下鉄・バス用の「PASMO」など、交通系の非接触型ICカードの普及率が非常に高く、地域別にさまざまな種類がある。
さらに「Edy」「iD」「nanaco」「WAON」「QUICPay」といった電子マネーも多様だ。
ここでは紹介されていませんが、個人的には「PiTaPa」好きなんですけどね。後払いできるので。
でも残念ながらその機能を使えるのが関西圏だけで、関東には対応していないという…
ヤマダ電機やビックカメラなどのポイントカードも多くの人が持っており、貨幣に近い価値を持つ。楽天スーパーポイントなどネット上のポイントも同様だ。
野心的な企業が、ここにフィンテックの考え方を持ち込んで、すべてのICカードや電子マネー、ポイント制度、さらには生命保険や退職金も含めて互換性を持たせ、「現在の貨幣」に換算する仕組みを作れば、大きなビジネスになるだろう。
流石に日本の大企業もブームになってから動くほど動きが遅い訳では無いと思うので、以前から色々と試行錯誤はしているように思います。
通信業界の事例
ニュースでは通信業界のKDDIが取り上げられたりしていました。
「携帯」と聞くと、多くの人はApple Payなどの決済サービスを思いつかれるように思いますが、個人的にはローンやソーシャルレンディングなどの融資領域のサービスは今後もっと増えてくるように感じています。
1年以上前に中国のXiaomiのニュースが話題にもなりました。
中国Xiaomi、スマホの次は「オンライン・ローン事業」 - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)
記事で紹介されているKDDIと三菱東京UFJの「じぶん銀行」が今も上手くいっているとはあまり思えないのですが、今後より便利なサービスになれば良いなぁとは思います。
KDDIと三菱東京UFJ銀行の「じぶん銀行」
ついでなのでこの「じぶん銀行」についても少し書きます。
旧東京三菱銀行と旧UFJ銀行が2004年の経営統合発表時から進めていたプロジェクトであり、三菱東京UFJ銀行のリテールネット戦略の一環として位置づけられる。
三菱東京UFJ銀行の中井雅人の指揮の下、構想に3年、準備に2年をかけて実現した。
じぶん銀行の営業開始から9ヶ月後の2009年4月に更迭され、社長を退任となる。退任後の中井の処遇は明らかにされなかった。
中井の退任の5日後に発表された、じぶん銀行の平成21年3月期の業績は8,561百万円の経常損失であった。
これだけ読んでも非常に残念な感じですが、今なお「じぶん銀行」のサービスには特段メリットを感じられません。
パッと見てもその金利水準のどこら辺がお得なのか分からないです…
じぶん銀行のおトク?なATM手数料
衝撃なのがゆうちょ銀行で入金すると2回目から216円も取られるという…
お金を預けるだけでお金を取られるという…
新生銀行のATM手数料
ちなみに新生銀行のATM手数料が無料なのは有名な話かと思います。
住信SBIネット銀行の手数料
住信SBIネット銀行さんも当然お預け入れは無料です。
ネットバンク系は利便性が高いですね。
ちなみにSBI系は銀行だけでなく証券も使いやすいのでお勧めです。
銀行時代、新入行員の仕事として「じぶん銀行」の利用を始めてもらうようにセールするという何とも言えない仕事があったことをふと思い出しました。
新入行員に無理やり売らせるのではなく、サービスを改善するという発想はなかったのか…今後に期待です。