金融とテクノロジー雑記

勉強になった本の感想など

メガバンクから転職する30代銀行員は今後も増えそう

メガバンクから転職

僕が再度就活するとしたら外資系企業を目指すと思いますのでメガバンクには入らないと思いますが、いまだに就職人気ランキングではメガバンクが上位になっています。

ですが、実はここ最近メガバンク時代の知人(30代前半)が次々と転職をしていて、10年ぐらい勤めても辞めたりすることにちょっと驚いています。

ただ、人生を前向きに生きる人々にとっては何事も「遅い」ということはなく、何かに気づいた時点で新しく何かに挑戦したり、キャリアチェンジすれば良いだけなのでしょう。

転職するより「一生一社」に勤め上げる方が困難?

toyokeizai.net

この就職人気ランキングに意味があるのかという話は置いといて、2018年にこの人気ランキング上位のどこかの企業に入社したとしても、「一生一社に勤め上げる」のは結構難しい気がしています。

例えば、ベンチャー企業に入社して、そのベンチャー企業の成長と共に(首を切られず)自分も成長して、運良くその企業が上場してストックオプションの恩恵もウケて、その後数十年に渡ってその企業が大企業になって繁栄して…

みたいなストーリーを描く会社に入れたら、数はとても少ないとは思いますが、「一生一社」でも良いかもしれません。

もしくは、「この会社が潰れるのは日本が潰れる時だ!」ぐらいな、日本国と運命を共にできそうな会社に入るとかしないと、中々「一生一社」に勤め上げるのは実現できないような気がしています。

こちらもあまり数は多くはないように思います。そして、そのような会社を見極められる学生も、そんなに沢山はいないのではないでしょうか?

そう考えると、「自分は人生のどこかで転職する」と考えて入社する方が、現代ではまともな考え方のように思います。

例えば、僕がメガバンクに入行した2011年は「東芝」といえば大企業でしたし、その当時に入社した新入社員の多くは「一生東芝で働こう!」と考えていたのかもしれません。

ですが、現在東芝は色々と残念な状況になっていますので、こういう例を見ると「大企業」であっても、入社時点でその大企業の10年先の未来を見通すのは難しいです。

メガバンクで逃げ切れる人と逃げきれない人

メガバンク

話をメガバンクに戻しますが、今メガバンクにいる行員でぼけーっと生きてても逃げ切れるのは、40歳以上ぐらいの方なような気がしています。

現状メガバンクには、大して能力もやる気もないものの年収1000万越えの40代の中間管理職や、出社して朝から晩までボケーっとして帰社する窓際っぽい銀行員が存在するのは、残念ながら事実です。

ですが、2018年の新入行員が20年後もその恩恵を受けられるかというと、ちょっと難しいんじゃないかな?とは思います。

そもそも20年後に世の中がどうなっているのかは全く分かりませんので、「今の状態が20年後も続いている」と考える方が、ちょっと不自然です。

また、出世という観点からしても、メガバンクで役員まで上り詰めるのは自分の実力だけではどうしようもないと思いますし、何より自分で自分の人生を決めることができません。

銀行員の人生を決めるのは「人事部」です。

そして、大半の銀行員はそこそこ出世できないと途中で出向させられて年収半分ぐらいに落ちますので、そこそこは出世しないと生涯賃金的にもそこまで他の業界より高いという訳でもないと思われます。

冒頭の銀行時代の知人は銀行内ではエリート系の部署に配属されていましたが、逆にそういう優秀な30代前半の方々こそ辞めていく時代なんだなあと、しみじみ思いました。

スリーエムジャパン副社長が語る「同時に数社」の時代

newspicks.com

「一生数社」で転職をしながらキャリアを積み上げていくという話は、NewspicksのPROピッカーであるスリーエムジャパン代表取締役副社長の昆氏も話されていましたので、引用させて頂きます。

グローバー:アスリートがスポーツ選手を辞めた後に、どうやって生きていくのかという文脈と関係なく、仕事を2つ3つやっていくほうがいい時代だと。

 

:そうですね。もともと団塊の世代の人たちは、「一生一社」を勤め上げるのがカッコいいというところがありました。

でも、今の時代は「一生数社」で、転職をしながらキャリアを積み上げていく。

この次の世代は、「同時に数社」を股にかけながら働いていくんです。

将来的に「同時に数社」の時代が来るのかはちょっと分かりませんが、普通に考えると、今の時代は「一生数社」と考える方が自然な気がします。

僕自身は会社を辞めてますが、またどこかに所属する可能性もありますし、もはや「サラリーマン→独立」の一方通行だけでもない時代が到来しているとも思います。

しかし、残念ながらあまりこういう話は多くの人々には理解されず、未だに「〇〇ちゃんの彼氏の□□くんは△△に入社した安定したエリートで〜」みたいな話をたまに聞きます。

現状はこれがマス層というやつなのでしょうが、普通に考えると現代は「一生一社に勤め上げる」方が難しいです。

よっぽどその会社の将来に期待しているのか、定年まで働ける超絶安定企業だと確信しているか、そもそも何も考えていないのか…

一部の企業を除いて、会社の給料だけで生きていこうとする思考だと、多分アーリーリタイアはできないかと思いますので、そうすると40年ぐらい働くとして、40年先の会社の将来性を見通せる方がいたら、天才です。

世界一の投資家ウォーレン・バフェットでさえ、予測することは無理でしょう。 

現代において、何が「安定」なのか?をきちんと考える

安定とは何か

今までは大学名や企業名が担保になったりすることもあった時代でした。

ですが、インターネットやソーシャルメディアが発達した現代では、インターネット上での影響力がその人の信用や担保につながることが多々あります。

例えばSNSのフォロワー数などで採用が優遇されることもある時代です。

そのため、そもそも大学も会社も最初から行かないという選択をする個人も、次第に生まれて来る時代になるのかもしれません。

まあスリーエムの副社長が語るように「同時に数社」の時代が到来するのかは正直ちょっと分かりませんが、少なくとも転職して「一生数社」のキャリアを積む方が、現代においては普通です。

現代においては、安定重視の思考を持っている人こそ、「何が安定なのか?」はきちんと考えた方が良いんじゃないかなと個人的には思います。