金融とテクノロジー雑記

勉強になった本の感想など

日本の決済インフラをLINE PayやWeChat Payから考える。

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先日LINE Payの日本の登録ユーザー数が3000万人を超えたとのニュースを見ました。

【LINE Pay】日本の登録ユーザー数が3,000万人を突破 | LINE Corporation | ニュース

個人的には特にLINE Payは使ってなかったのですが、調べて見ると色々と便利そうな気はしてきました。

ただあまり周りに使っている友人がいないせいなのか、肌感覚としてはそんなに普及している感じは未だにしていません。

中国国内のWeChatほどの普及にはまだ時間がかかるのかなあという印象です。

LINE PAYの登録方法と機能

LINE PAYの登録自体はとても簡単なので、登録したものの使っていないユーザーもいそうです。

ただ、色々と機能を調べていると韓国ウォンの両替サービスなども始まっており、中々今後便利になっていきそうではあります。

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こちらの参考記事によると、現時点では基本的には5つの機能があります。

  1. LINE Payにお金を入れる「チャージ機能」
  2. LINEの友だちにお金を払う「送金機能」
  3. LINEの友だちに支払いを要請する「支払い依頼・割り勘機能」
  4. LINE Pay導入加盟店や提携サービスで決済を行う「決済機能」
  5. LINE Payに貯まったお金を引き出す「出金機能」

この機能を見た時にまさにイメージできたのが、中国のWeChatです。

中国人のWeChat利用シーンは、まさに未来の東京?

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日本での割り勘アプリというとPaymoが有名ですが、先日1990年代以降に生まれた中国人同士(90後と呼ばれる世代)がWeChatで割り勘をしているのを実際に目にし、なんだか2~3年ぐらい先の東京の若者を見ているように感じてしまいました。

実際に中国におけるシェアもWeChat Paymentは凄まじい勢いで伸ばしているようですし、さらなる普及は間違いないでしょう。 

Alipay VS Wechat Payment

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画像出典はこちら

日本でも今後数年で決済領域の戦いは決着がつくような気はしますが、果たしてLINE PayがWechat Payぐらい日本国内で使われるようになるのかはまだ分かりません。

WeChatが今後世界中に普及するかというと何とも言えないんですが、正直現時点でかなり便利なことは確かですし、利便性の点において日本のツールの先をいっていることだけは確かでしょう。

先日僕も中国に少々滞在していたのですが、上海や北京などの大都市のお店であれば大抵WeChatで支払いが可能です。

また、お店だけでなく、中国版Uberのdidiタクシーも当たり前にWeChatで支払いができますし、mobikeなどの自転車版シェアリングエコノミーも、自転車に付いているQRコードを読み込んでWeChatで決済ができたりします。

中国駐在の友人もWeChatが無いと仕事にならないと言うほど、中国ではビジネス領域にもWeChatは普及しているようです。

特に外国人旅行客向けに何かをしているという感じは今のところしませんでしたが、一応日本でダウンロードしておけば空港などのwifi接続もWeChatログインができたりもしました。

日本の決済インフラは世界最高峰??

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日本に目を向けて見ますと、先日日本の決済インフラは世界最高峰という記事も見かけました。

記事によると、

日本の決済インフラはリアルタイム(即時)振り込みを始め、利便性・効率性・安全性の決済の3つのポイントで現在でも世界最高水準であり、海外と比べて進んでいる。

また、今後の日本国内の計画として、

① 携帯番号振込の実施

② 電子債権機関の高度化

③ 24時間365日決済の導入

がある。

とのことでした。

個人的には特に日本が世界最高水準な気はしませんが、ほぼ全ての銀行間において24時間365日の送金・決済が可能になるのであれば便利なのでしょう。

本記事においてはこのように「振込」についてもふれられていたのですが、オンラインバンキングを使わずに中国人がWeChatで簡単に振込するシーンを見てしまうと、少なくとも現段階ではこの「振込」においてさえ、日本の決済インフラはそこまで便利ではないです。

それに加えて、本記事では特にふれられていませんでしたが、一消費者の観点からすると、「振込」より「お店などでの商品に対する支払い」における利便性の向上の方が、はるかに便利だなと感じる気はしています。

商品の支払い

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この「商品の支払い」においては、やはり中国や欧米の方が圧倒的に便利です。

日本は未だに現金社会で多くのお店が現金支払いのみに対応していますが、中国だけでなく英国などでも、クレカで「ピッ」っと端末機にタッチするだけで、一瞬で支払いは終わります(上記動画は更に新しいサービス)。

基本的に英国ではレストランやパブなどのお店では、クレカを端末機に差し込むことなく、日本でいう電子マネーのような形でタッチするだけで支払いが終わります。

一部日本のクレカでもそのような機能を持つクレカはありますが、英国では日本より圧倒的に多くの人が利用しています。

下記の動画は英国バークレイズのさらに新しい決済サービスですが、商品に対する支払いのイメージとしては、現時点でもこれぐらいのスピード感で終わっているようには思います。

英国のBarclaycard

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日本のクレカの場合、「カードを端末機やリーダーにさして、少々承認されるまで待って、暗証番号を入れて…」みたいなプロセスを踏み、大体支払い完了までに1分ぐらいかかってしまうことが良くありますが、英国ではものの数秒で完結します。

こういう支払いという面においては、あんまり日本の決済インフラの利便性や効率性が高いようには思えないのが現状です。

ただ、最近は大手ビックカメラへのビットコイン決済導入など、もしかしたらもしかすると、日本は仮想通貨で色んなところで決済ができる国になったりするのかなあ?などと、ちょっとした期待を感じていたりもします。

今までは、中国や英国などの状況が数年後に遅れて日本に来るかと思っていたのですが、最近の日本国内での仮想通貨の盛り上がりや「一般人」への認知度を考えると、もしかしたら日本は仮想通貨が流通する面白い環境になる可能性も秘めてるのかもなあ〜ともふと考えていたりもします。

ではでは。